
渋野日向子が復調気配だ。開幕から7試合で予選落ちが4度あり、5月末時点ではポイントランキングが154位。だが、6月4日から開催された全米女子オープンではメジャー大会でのさすがの強さを見せ、17位タイフィニッシュ。同ランキングを109位に上げた。
◆【実際の映像】渋野日向子、試合前の練習風景とリラックスしたファンサショット「いってきまーす」
さらに、11日から開催されたダンブル戦・ダウ選手権には、勝みなみとの黄金世代コンビで臨み5位タイ。ポイントランキングは84位となった。
特に全米女子オープンでのプレーは、貫いてきたこれまでの取り組みの成果の表れと見ることができるが、同大会中に米女子ツアーが公開した渋野の練習内容からは、どのようなポイントに焦点をあてて取り組んできたかがわかる。それは、インパクトの安定には欠かせないものである。
■SG:アプローチ15位
まず、数字に表れている渋野の取り組みの成果を紹介しておきたい。全米女子オープンでのスタッツを見ると、グリーンを狙うショットのスコア貢献度を示す、SG:アプローチが15位。大舞台で上位に入った。
今季これまで(6月15日時点)のトータルで見ても、SG:アプローチは39位となっており上々の順位。
昨季は108位、2024年シーズンは82位、23年シーズンは135位だったことを考えると、今季はショットの調子を急上昇させていると言える。過去、最も上位だったのが、22年シーズンの35位。今季は米ツアーデビュー以降、「かつてのショット精度を取り戻せないでいる」というイメージを払拭し、ショットの貢献度が最も高いシーズンとなる可能性が出てきている。

渋野日向子のSG:アプローチ ※作成:SPREAD編集部
■スタート前の練習
米女子ツアーが公開している動画での渋野は、各番手での通常のフルショット練習だけをしているわけではない。
極端に短いクラブや長い素振り棒を使って、左手1本や両手で小さい振り幅の素振りをしている。さらに、通常のクラブを使って、小さい振り幅の左手1本打ちや右手1本打ちも練習しており、左手1本の時は、右手で左手を上から押さえた状態で行っている。
渋野はもともとインパクト時にお尻が前に出て手元が浮く動きにより、ショットの安定感が損なわれることが課題だった。手元が浮けばクラブヘッドが垂れ下がり、プッシュや引っ掛けなど、あらゆるミスショットが出やすくなる。上記の練習風景からは、その課題に対する意識が強く感じられる。
このような練習は4月10日から開催された「富士フィルム・スタジオアリス女子オープン」のドライビングレンジでも行われていた。インパクト前後でお尻を後ろに引っ込めてボールと体の間のスペースを確保し、手をそこに通す。「出場選手の中で意識していることが最もわかりやすい」と感じるぐらい、動きを強調してスイングし、体に覚えこませようとしていた。
2019年の全英女子オープン優勝時のスイングから大きく変えた時は、否定的な意見が聞かれ、結果が出ないことで、その意見は増大した。
しかし、渋野の最近のプレーは、そのような意見を抑えていきそうだ。スイング改造が正しかったことを成績で証明しようとしている。
■シード権獲得へ
昨季はシード権獲得はならず、最終予選会をギリギリで突破して今季の米ツアー出場権を獲得。今年は勝負の1年となるが、ポイントランキング80位以内で得られるシード権が見えてきた。
昨季は、全米女子オープンで7位タイに入った後、14戦して10回の予選落ちを喫した。今季は、このようなことにはならないのではないだろうか。なぜなら、昨年大会の全米女子オープンはショートゲームに助けられて好成績をおさめたが、今回はショット精度を強みにして好成績をおさめたからだ。
現在の渋野にとって、ショットに自信を持って臨める方が、地に足ついたプレーをしやすいはず。“今年の渋野は違う”そう思わせるプレーに、引き続き期待したい。
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著者プロフィール
野洲明●ゴルフ活動家各種スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。より深くプロゴルフを楽しむためのデータを活用した記事、多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとにした論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。
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— LPGA (@LPGA) June 5, 2026



