
卓球の「WTTファイナルズ香港2025」は14日、男子シングルスの決勝が行われ、世界ランキング5位の張本智和(トヨタ自動車)が同4位のトルルス・モーレゴード(スウェーデン)と対戦。ゲームカウント4ー2で勝利し、悲願の初優勝を果たした。
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■4度目の挑戦で成し遂げる
過去3度準優勝に終わっていた張本智は、1回戦でシモン・ゴジに4-2、準々決勝では“天敵”フェリックス・ルブランに4-3で競り勝ち、難関を突破。準決勝では世界ランキング2位の林詩棟(中国)と激闘の末に勝利し、4度目の決勝進出を決めた。
迎えた決勝の相手は、パリ五輪銀メダリストで世界ランキング4位のモーレゴード。両者にとって、WTTファイナルズでの初優勝が懸かった大一番となった。
第1ゲームは張本智がブロックやバックハンドでのラリーでポイントを重ね、序盤から主導権を握った。対するモーレゴードも、フォアハンドの打ち合いで応戦し、一進一退の攻防に。中盤には一時逆転を許した張本智だったが、5-7から連続ポイントで再び逆転に成功。そのリードを活かしてゲームポイントを握ると、最後は深いツッツキが決まり、11-8で第1ゲームを先取した。
第2ゲームはモーレゴードがフォアハンドで積極的に攻め、張本智から僅かにリードを奪う展開に。3-4からのエッジボールを巡っては、TTR(テーブル・テニス・レビュー)の判定によりモーレゴードにポイントが与えられた。張本智もバックハンド主体のラリーで粘りを見せたが、モーレゴードが着実に加点。5-11でこのゲームを落とした。
第3ゲームは、張本智がレシーブで2本、サービスでも1本を連取して主導権を握る。モーレゴードもフォアハンドやロングサービスで反撃し、一度は逆転を許す場面もあったが、張本智はバックハンドでのラリーで優位に立ち、中盤に再び逆転。その後も両者譲らず、9-9の接戦に突入した。終盤、先にゲームポイントを握った張本智が、サービスからのカウンターブロックを決め、11-9でこの重要なゲームを制した。
第4ゲームも、張本智がサービスからのラリーで強さを発揮。モーレゴードの強打に対してもカウンターで応戦し、4連続ポイントを奪って波に乗った。その後、モーレゴードがフォアハンドを軸に攻めて同点に追いつく展開に。6-6からは張本智が両ハンドで得点を重ね、再びリードを奪うが、8-7と迫られた場面でタイムアウトを要求。流れを引き戻したい張本智だったが、先にゲームポイントを許し、9-10からカウンターで追いつくも、最後はモーレゴードにフォアで押し切られ、10-12でこのゲームを落とした。
第5ゲームは、張本智が回り込んでのチキータで得点を狙う一方、モーレゴードもカットブロックから強打に繋げるなど、拮抗した展開が続いた。中盤に連続ポイントを許した張本智だったが、6-8からのラリーをフォアで押し切るなど、好ショットで反撃。先にゲームポイントを握られた場面では、強打で相手を押し込み、9-10と迫ると、ここでモーレゴードがタイムアウトを要求した。直後のラリーを張本智がバックで粘ってデュースに持ち込むと、最後はモーレゴードのレシーブがネットにかかり、14-12で逆転。ゲームカウント3-2で、王手をかけた。
第6ゲームは、張本智が4連続ポイントで流れを掴むと、その後のラリーでもネットインのボールを巧みに得点に結びつけ、5-0と一気にリードを広げた。モーレゴードもカットブロックから反撃を試みたが、張本智の勢いは止まらず、終始主導権を握る展開に。圧倒的な内容でチャンピオンシップポイントを握ると、最後はモーレゴードのフォアがオーバー。11-2でこのゲームを奪い、張本智が激闘を制して悲願の初優勝を飾った。
張本智はこれまで3度決勝で涙をのんできた中、悲願のファイナルズ初制覇。今季最後の国際大会で、日本男子のエースが存在感を見せつけた。
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