
メジャー8年目、ドジャースで球団史上初の2年連続世界一を達成した大谷翔平投手。今季はレギュラーシーズンで打率.282、55本塁打、102打点、20盗塁、OPS1.014の好成績。投打二刀流に復帰し、ポストシーズンでは1試合3本塁打と10奪三振を記録するなど、規格外のパフォーマンスは留まるところを知らない。
2018年の渡米から、積み上げた本塁打数は通算280本。今季の55本塁打は自身最高成績で、得意の本拠地ドジャースタジアムでは昨季を上回る29本塁打を放った。もしも、大谷が「ドジャースタジアムだけで試合をしていたら」60本塁打を超えていた可能性があるという。
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■ドジャースタジアムは「本塁打特化」の球場
MLB公式のデータサイト『Baseball Savant』には、球場ごとの偏りを表す指標「パークファクター」が掲載されている。安打や本塁打の出やすさを始め、打球飛距離に影響する要素(風、標高、気温、屋根の有無など)が比較できる。
平均を100とした場合、直近3年間でドジャースタジアムは「101」でほぼニュートラルという評価。一方で、本塁打の出やすさが全30球場トップの「127」を計測。左中間と右中間に膨らみがなく、フェンスまでもっとも深い位置でもメジャー最短の395フィート(約120.3メートル)しかない。
単打と二塁打は100を割り「92/96」、三塁打はリーグでもっとも出にくい「64」で相殺されているが、アーチ量産には最適な球場と言える。ナ・リーグトップの244本塁打を記録したドジャース打線は、本拠地の特性を最大限に生かした編成だ。
■中堅方向へリーグ最多の22本塁打
風や標高など環境面も考慮したこれらを踏まえた上で「球場別本塁打期待数」を算出すると、今季の大谷が全試合ドジャースタジアムのみで出場した場合、ポストシーズン含めて「67本塁打」を記録していたという公式データがある。
今季の大谷は、全63本塁打(レギュラーシーズン55本/ポストシーズン8本)のうち、30球場全てでスタンドインする「No Doubters(ノーダウター)」の本数はメジャートップタイの30本。環境に左右されない一発が魅力だが、風に押し戻されたり、高いフェンスに阻まれたりと不運な打球も散見された。
ちなみに、もっとも相性が悪いのがタイガースの本拠地コメリカパークで、大谷は「本塁打期待数」が45本まで激減する。今季は中堅方向への本塁打がナ・リーグトップの22本で、2位のジェームス・ウッド外野手(ナショナルズ)に8本もの差をつけており、中堅と右翼フェンスまでの飛距離が遠い同球場では、多くの本塁打が阻止されていた可能性が高い。
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