
今週は京都競馬場で菊花賞(芝3000m)が行われる。GI馬不在の今年は混戦ムードが漂っており、波乱決着も想定される一戦だ。
ここでは、過去10年から2013年以降の京都開催を参照。ショウヘイとエリキングにフォーカスしたデータを取り上げる。
【菊花賞2025/全頭診断】7枠のエリキングに不安要素あり 「1.2.0.0」該当の想定10人気以下など穴馬候補多数
■ショウヘイに「2.0.1.1」の好データ
日本ダービー3着、神戸新聞杯2着と世代上位グループとして存在感を示しているショウヘイ。その馬名も含めてさまざまな方面で注目を集めている1頭だが、ロードカナロアの系統にあたるサートゥルナーリア産駒で距離はどうか……そんな不安が囁かれているのも事実だ。はたしてデータが下したジャッジは?
・日本ダービー&阪神の神戸新聞杯で馬券内【2.0.1.1】
馬券内率に換算すると75%。エピファネイアにサトノダイヤモンド、ヴェロックスと該当馬はいずれも1番人気だったが、全頭未知数の距離にあっても馬券内をきっちり確保している点は評価に値するだろう。日本ダービー&阪神の神戸新聞杯での馬券内馬×京都開催の菊花賞の好相性は見逃せない。
ショウヘイについて補足すると、同馬の近親にはミッキークイーン、ブレイディヴェーグと芝2200m以上のGI馬2頭の名前が。菊花賞を制し三冠に輝いたオルフェーヴルを母父に持つ馬でもあり、父系がもたらす距離不安を打ち消すだけの材料は揃っている。全2勝を挙げる京都芝外回りで臨む最終関門。タイトル奪取に向けて視界は良好だ。
■「0.0.0.16」の試練に挑むエリキング
一方で、神戸新聞杯を制したエリキングには鬼門データが浮上。堂々の重賞2勝目を飾った前走を経て主役候補として臨む最後の一冠。GI制覇に王手をかける人気一角だが、以下データをみると不安しかないのだ。
・ディープインパクトを除く父ディープ系【0.0.0.16】
ディープインパクトからみて孫世代にあたる馬がことごとく凡走。このなかにはコスモキュランダ、サトノグランツ、ミッキースワローといった3番人気馬も含まれており、血統面では“消し一択”のデータが出現してしまってるのだ。
上記のデータに加えて、多頭数での馬券内がないエリキングにとって18頭立てのシチュエーションも決して歓迎とは言えない。さらに7枠15番と外めの枠を引いたことによる距離ロスも懸念される今回、人気ほどの信頼度があるかと言われれば「NO」と言わざるを得ないだろう。
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著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家馬柱の隅々まで徹底分析を行い、確かな精度で軸馬・妙味馬を抽出する「馬柱探偵」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在は競馬メディア『Winsight』で予想コラム執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。



