
MLB公式サイトは13日(日本時間14日)、ドジャースの大谷翔平投手を特集。さらなる進化を見せている投手能力に注目し、マウンド復帰から2カ月で浮き彫りとなった新たな決め球などを取り上げた。
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■術後でも球速上昇
MLB公式サイトは同日、平日定期配信のメールマガジン『The Pregame Lineup』で大谷の新たな投手能力に注目。公式データ部門に所属するデビッド・アドラー氏が、3つのポイントを分析した。
アドラー氏は最初に「速球を全力で投げ込んでいる。大きな肘の手術からの復帰を考えると、これは驚くべきことだ」と記し、大谷の球速に注目。同日先発前の時点で、今季のフォーシームの平均球速がキャリア最高の98.2マイル(約158.0キロ)に達していると明かした。2022年までの最高は97.3マイル(約156.5キロ)で、フォーシーム全体の61%が98マイル以上、31%が99マイル以上、10%が100マイル以上で、いずれのシーズンよりも2倍多いという。
大谷は13日(同14日)のエンゼルス戦で今季最多の80球を投じたが、フォーシームの平均球速は98.4マイル(約158.3キロ)を計測しており、球速アップは短いイニングの登板が続いた結果ではなさそうだ。
■「新たな決め球」の台頭
そして、アドラー氏は大谷の新たな決め球スライダーに注目。2022年と23年に投球割合の35%以上を占めたスイーパー(曲がりの大きなスライダー)ではなく、より速く、鋭い変化をする従来型の球種の割合が大幅にアップしていると分析した。
MLB公式のデータサイト『Baseball Savant』によると、大谷は2021年にスライダーを6球のみ記録。22年に投球全体の2.4%、23年に3.7%と決して多くなかったが、今季は10.8%まで急上昇。左打者には13.7%も投じており、スイーパーとの明確な使い分けが見て取れる。
これにより、スプリットの使用量が大幅に減少。2021年の18.1%をピークに11.9%、5.8%と年々低下し、マウンド復帰後の今季はわずか3.8%で左打者のみに投じている。アドラー氏は、「以前は垂直方向の落ちが特徴だったスプリットが、今は大きく横に変化するようになっている。左打者には有効だが、右打者に対してはバットの芯に当たりやすいため、効果が薄いのかもしれない」と、球質の変化を分析。左打者対策に限定していると推測した。
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