
「ITTF世界卓球選手権ファイナルズ・ドーハ大会(個人戦)」が17日から25日にかけて行われた。日本は男女合わせて4種目でメダルを獲得するなど、各選手が奮闘を見せた。
銅メダルの伊藤美誠(スターツ)をはじめ、4選手がベスト8以上に進出したのが女子シングルス。中国に続く第2勢力として日本選手が存在感を放った。
◆「キャリアの重要な節目」伊藤美誠が加えた新たな勲章に中国メディアも賛辞 殊勲の銅メダル獲得に「再び強さを証明」
■張本美&大藤は複でメダル獲得
世界卓球で日本は早田ひな(日本生命)、伊藤がシングルスのみの出場で、個人戦初出場となった張本美和(木下グループ)、大藤沙月(ミキハウス)が女子ダブルス、混合ダブルスを含めた3種目に出場した。
そのなかで健在ぶりを見せたのが伊藤で、大会前からの好調を維持した24歳は、準々決勝で世界ランキング4位の王芸迪(中国)と対戦。過去2勝10敗で5年間勝利のなかった相手に第2ゲーム以降翻弄して4-1で快勝。伊藤らしい切れのあるスマッシュや台上技術の高さに加えて、冷静な試合運びも光り、自身のキャリアに世界卓球でのシングルスのメダルを加えた。
前回メダリストとして挑んだ早田は、4回戦で石洵瑶(中国)に勝利を収めて迎えたのは同3位の陳幸同(中国)。世界トップクラスのラリー力を誇る両者による打ち合いは、陳幸同が早田のミドルを正確に突き長所を消すなど自由を与えずにストレートで勝利。昨夏のパリ五輪以降左腕の怪我と付き合いながらの日々を過ごす早田は、エースとして及第点の結果は残した。
女子卓球のトップ2に準々決勝で挑んだのが張本美と大藤のふたりで、前者は同2位の王曼昱(中国)に0-4、後者は同1位の孫穎莎(中国)に1-4でそれぞれ敗れた。しかし、張本美は木原美悠(個人)と組んだ女子ダブルスで銅メダル、大藤は吉村真晴(SCOグループ)と組んだ混合ダブルスで銀メダルに輝いた。16歳と21歳はシングルスでもさらなる成長が見込め、2028年のロサンゼルス五輪に向けても飛躍が期待される。
今回の世界卓球で女子シングルスは伊藤が悲願だったシングルスでのメダルを獲得し、3選手も8強入りを果たすなど各選手が実力通りの結果を残した。中国に続く第2勢力として定着する日本女子の激しい争いは続く。
◆早田ひな、孫穎莎も評価した成長の跡「勝てて幸運だった」 世界女王が見せた振る舞いも注目「握手の際にラケットで……」
◆“中国2強”に挑む新星を現地メディアも警戒 16歳張本美和は「日本のNo.1選手」21歳大藤沙月は「依然として挑戦者」
◆64年ぶり世界一の戸上隼輔、篠塚大登に贈られる賛辞 カタールで躍動の“とがしの”ペアは「日本男子ダブルスの復活を証明」