“世界最高峰のヒューマンモータースポーツ” スーパーフォーミュラ2025年シーズンが開幕 32歳ルーキー高星明誠の戦いに注目 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

“世界最高峰のヒューマンモータースポーツ” スーパーフォーミュラ2025年シーズンが開幕 32歳ルーキー高星明誠の戦いに注目

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“世界最高峰のヒューマンモータースポーツ” スーパーフォーミュラ2025年シーズンが開幕 32歳ルーキー高星明誠の戦いに注目
  • “世界最高峰のヒューマンモータースポーツ” スーパーフォーミュラ2025年シーズンが開幕 32歳ルーキー高星明誠の戦いに注目

国内トップフォーミュラレース、スーパーフォーミュラの2025年シーズンが今週末、鈴鹿サーキットで開幕する(3/8:第1戦予選/決勝、3/9:第2戦予選/決勝)。

国内外のトップドライバーたちがF1に最も近いスピードのマシンで毎戦拮抗したバトルを繰り広げるという従来の魅力に加え、昨今はオンボード映像だけでなく無線もオープンにするなど独自の取り組みによりファンが拡大し、昨年は過去最多となる観客動員数を記録したスーパーフォーミュラ。

今年は同じ全7大会ながら9レースから12レースへとレース数も拡大し、レース中継メディアも増加している。モータリゼーションの変化によりエンジンを使用する自動車レースは縮小して然りの流れの中、目を見張る発展ぶりである。

◆謎のスーパーフォーミュラマシンが鈴鹿を疾走。そのエンジンは……なんと市販車のタイプR!?

■今年は6人のルーキーがフル参戦

もちろんそうした運営側の努力は、参戦するドライバーたちが魅力的であるからこそ実を結んだものだ。

2021年からの2連覇以降も常にタイトル争いの中心にあり続ける野尻智紀(MUGEN)、昨年3勝し初タイトルを手にした坪井翔(TOM’S)、昨年2勝ずつを挙げチームタイトルに貢献した牧野任祐と太田格之進(DANDELION)、F1昇格を目指しヨーロッパから帰国した岩佐歩夢(MUGEN)の、2024年ランキングトップ5は今年も健在。また史上初の女子高生レーサーとして昨年の開幕戦で大きな話題となったJuju(Triple Tree)も、一時は危ぶまれながら継続参戦することになった。

さらに今年は、 ヨーロッパからザック・オサリバン(KONDO RACING)、オリバー・ラスムッセン(IMPUL)の2人、国内からは高星明誠(IMPUL)、平良響(TGMGP)、小出峻(B-Max)、イゴール・オオムラ・フラガ(NAKAJIMA)の4人、計6人のルーキーがフル参戦する。この中で筆者が特に注目しているのが、32歳にしてようやくレギュラーシートを射止めた高星だ。

スーパーフォーミュラ昇格の最も確実なルートが、ひとつ下のカテゴリーにあたるスーパーフォーミュラ・ライツ(2019年までは全日本F3選手権)でタイトルを獲得することであり、高星は2017年に獲得している。またもうひとつの国内トップカテゴリー、スーパーGTでは2018年からGT500クラスに参戦し、4勝を挙げる活躍を見せている。実績面では申し分ないはずが、なぜこれまでスーパーフォーミュラフル参戦が叶わなかったのか……それは高星がニッサン所属のドライバーだからだ。

■開発ドライバー経験を持つ32歳高星の活躍に注目

2017年の全日本F3選手権最終戦で、チャンピオンを獲得した高星にインタビューした。次の目標は、というお決まりの質問だった。高星は少し言葉を詰まらせた後「スーパーフォーミュラにステップアップしたいが、自分はニッサンのドライバーなので簡単ではないことは分かっている」と答えた。状況は筆者も分かっており、嫌みな質問をしてしまったと今でも反省している。スーパーフォーミュラはシャーシ、タイヤは全チームが共通のものを使用しているが、エンジンはトヨタとホンダが供給。つまりメーカーによる競争が行われており、プライベーターチームであっても使用するエンジンメーカーのドライバーが優先されるのが現実なのだ。

高星はその後、2020年と2021年に異なるチームでスーパーフォーミュラに1戦ずつ、レギュラードライバーの代役として参戦。そこではデータ収集の役割をこなさなければならなかったこともあり芳しい活躍はできなかったが、2023年に現行マシンであるSF23の開発ドライバーをつとめたことが今年のフル参戦に繋がったようだ。スーパーGTで昨年まで3年連続でタイトル争いに加わった経験と開発ドライバーでの走行マイレージは、他のドライバーにはないもの。そんな高星がどんな戦いを見せるのか、非常に興味深い。

そして、高星の活躍こそが「世界最高峰のヒューマンモータースポーツ」というスーパーフォーミュラの理念を実現するものであり、ニッサンドライバーの今後の門戸を開き、メーカーの垣根を真の意味でなくすことに繋げるものだと思う。そんな、昨年よりも見どころが多くなったスーパーフォーミュラが、間もなく開幕する。

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