
昨季4年ぶり8回目の世界一になったドジャースは、オフシーズンも妥協なき戦力補強を敢行。課題のブルペンには、同地区ライバルのパドレスからFAとなったタナー・スコット投手を加入させた。
昨季トレード期限で獲得した救援のマイケル・コペック投手は、右腕の炎症で開幕序盤を欠場する見込み。今季はリーグでも屈指の支配力を誇るスコットが、ドジャースの抑え候補と目されている。とりわけ際立つのが、スイング速度と強打に関わる「Blast(ブラスト)」と呼ばれる新指標だ。
◆【動画あり】大谷翔平、山本由伸、佐々木朗希の“スプリット”を公式サイトが徹底比較 「ドジャース3投手が野球界でもっとも鋭い球種を独占」と称賛
■わずか2球種で打者を封じる
現在30歳のスコットは、昨季マーリンズとパドレスの2球団で計72試合に登板、9勝6敗22セーブ、防御率1.75の好成績を残した。平均97.0マイル(約156.1キロ)の高回転フォーシームと、鋭いスライダーの2球種で打者を牛耳るグラウンドボールピッチャーで、昨季は対左打者の被打率が.132、被本塁打なしと圧巻の投球を見せた。
MLB公式のデータページ『Baseball Savant』では、昨季から「ブラスト」と呼ばれる指標が公開された。端的に言うと、打者が一定以上の速度でスイングし、且つバットの芯で捉えた打球の割合を示すものだ。投手の場合は、この割合が少ないほど痛打されなかったと解釈できる。
「ブラスト」は、スイング全体に対する割合とコンタクト時に限った割合をそれぞれ算出しており、昨季のスコットはどちらもメジャー全投手で最少(スイング4.3%/コンタクト6.4%)を記録。強打者から空振りを奪い、バットに当てられても力で抑え込める圧巻のポテンシャルを示した。多くの球団が、躍起になって獲得を狙った理由のひとつがここにある。
Blast
定められた速度以上でスイングし、且つボールを正確に捉えた場合のみ記録される指標。2024年のメジャーリーグでは、ブラストした打球が打率「.563」であったのに対し、ブラストしなかった打球は「.231」と明確な差が生まれている。強打者が高い数値を出す傾向があり、昨季はスイング全体に対する割合でフアン・ソト、コンタクト時ではジャンカルロ・スタントンがトップに立っている。
◆【動画あり】大谷翔平、山本由伸、佐々木朗希の“スプリット”を公式サイトが徹底比較 「ドジャース3投手が野球界でもっとも鋭い球種を独占」と称賛
◆ポストシーズンで不調に陥ったヤ軍ジャッジ……「今季も苦戦が続く」と元スター選手が予想 その理由は「メンタルをやられる」
◆今季のドジャースは「地区優勝97.7%、ワールドシリーズ制覇20.7%」 驚愕の「PS進出確率100%」米データサイトの成績予測システムが算出