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2025年の米野球殿堂入りの発表が21日(日本時間22日)に迫っている。マリナーズの会長付き特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏は、資格1年目での選出が確実視されており、マリアーノ・リベラ氏に次ぐ史上2人目の満票受賞にも期待が高まっている。
注目の発表を前に、米メディアでは受賞候補者たちの華々しい現役時代を特集。元同僚らのインタビューが話題を集めている。
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■「今日は休みだよ」と話しかけるも……
米専門放送局『MLBネットワーク』では連日、イチロー氏のかつての同僚たちを取材している。
マリナーズでも活躍し、メジャー通算464本塁打を放ったネルソン・クルーズ氏は「2009年にオールスターに出場した時、シアトルからセントルイスまで飛行機で一緒だったんだ。それがイチローとの初めての時間だったね。その後、シアトルで一緒にプレーする機会があって、彼のルーティンに驚かされた。自分ももっと努力しなければと思ったよ。食事やスタジアムに到着する時間、トレーニングまでが全て正確。昨年、僕の引退セレモニーがシアトルで開催された時も、まだ同じことを続けていたんだから。野球への愛情の深さを感じたね」と話し、驚きを隠さなかった。
2003年と04年の2年間マリナーズで指揮を執ったボブ・メルビン氏は、「イチローは毎日プレーしたくて、試合から外れたがらなかった。ある試合で1日休養をとらせると事前に伝えたものの、当日、彼はベンチに座っていて、スパイクを履き、バットを横に置き、手にはグローブを持っていた。『イチ、今日は休みだよ』と話しかけたら、ちょうど彼のユニフォームを着た子供が通り過ぎて、イチローは私を見て少し首を振ったんです。その瞬間、意味を理解しました」と、当時のエピソードを明かしていた。二人は現在も親交があり、大好きなワインを楽しむ良き友人となったようだ。
2025年の米野球殿堂入りは、21日(同22日)に発表される。数々の金字塔を打ち立ててきたイチロー氏に、野球選手として最高の勲章が加わる記念日となる。
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