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ドジャースの大谷翔平投手が放った「50-50」達成記念ボールは、オークションに出品されて以来、入札価格の高騰が続いている。
記念球が出品されているオークションサイト『Goldin』の公式Xは、日本時間4日の9時35分時点で183万ドル(約2億6400万円)の入札があったとを伝えた。
またこの記念球に関しては所有権を巡る訴訟にも注目が集まっており、米大手スポーツ局『ESPN』は法律の専門家に所有権争いの行方を聞いた。
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■論争がボールの価値にマイナスな影響を与える可能性も
大谷は9月19日(日本時間20日)、敵地マイアミでのマーリンズ戦で3本塁打を放ち、2本目の50号でメジャー史上初の「50-50」を達成した。
打球は左翼スタンドにいたファンの間で争奪戦となり、『ESPN』によると少なくとも2件の訴訟が起こり、専門家も「一世紀に一度あるかないか」の法廷闘争だとボールの行方を注視しているという。
記念球は一時所在不明となっていたが、9月25日(同26日)に即決価格450万ドル(約6億5000万円)で出品されたことで持主が判明。翌日にボールを「不法かつ強制的に」奪われたとする18歳の少年がボールの所有権を主張し、オークション差し止めを求める民事訴訟を起こした。さらに先週末、2人目のファンが所有権を求める裁判を起こし、泥沼化している。
カリフォルニア大学のロースクールで名誉教授を務めるブライアン・グレイ氏は「私には出品者の男性と、18歳の少年が所有しているように思うが、証言や証人がない限りそれを断定することは不可能。彼ら2人だけがボールの所有に絡んでいることは証拠から明らかだ。適切な対応は、ボールを売却し、その収益を分割することだ」と主張。
同じくロースクールの名誉教授ポール・フィンケルマン氏は「18歳の少年がボールを手に持っていたのなら、それは彼のボール。訴状を見た限りでは、18歳の少年の訴えには非常に説得力があると思う」とし、証拠動画の分析を徹底的に行うのがよいと語った。
また、鑑定士のレイラ・ダンバー氏は「この論争により、潜在的なボールの価値にマイナスの影響を与える可能性もある」としつつも、「どうやら裁判は和解し、オークションは続行されるようだ。2人のファンに収益を分け合うようにさせる可能性もある」とした。
フィンケルマン氏によると、訴訟中はボールの明確な所有権は誰にもないため、裁判官がボール売却の差し止め命令をする可能性は十分にあるという。
ホームランボールの史上最高価格は、1999年にマーク・マグワイア(カージナルス)が放った70号ボールで、300万ドル(約4億4000万円)だったという。
マイナスな影響も懸念されるなか、大谷の「50-50」記念球は300万ドルを超え、史上最高価格が付くのか。また、その所有権は誰の手に渡るのか、注目が集まっている。
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