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MLBにおけるパワーとスピードの象徴「40-40」。史上5人しか達成していないこの偉業を達成し、さらに前人未到の「50-50」を超える54本塁打&59盗塁まで記録を伸ばしたドジャースの大谷翔平投手。
その勢いを維持したまま悲願のワールドチャンピオンに向けポストシーズン(PS)に臨むが、「40-40」歴代達成者でそのシーズンにPSに出場したのは、実は2人しかいないのだ。
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■初代達成者が披露した主砲のプライド
1988年9月23日(日本時間24日)、MLB史上初の「40-40」を達成したアスレチックスのホセ・カンセコ外野手は、さらに2本塁打を量産し、42本塁打&40盗塁を記録。その勢いはPSでも止まることなく、2シリーズで4本塁打2盗塁を記録した。
シーズン42本塁打のカンセコ、32本塁打のマーク・マグワイア内野手の“バッシュ・ブラザーズ”の活躍で、7年ぶり地区優勝でアスレチックスはPSに進出。レッドソックスとのリーグ優勝決定戦では(当時はまだ地区シリーズはなし)、カンセコの3本塁打1盗塁の活躍などでワールドシリーズに勝ち進んだ。ドジャースとの頂上決戦でカンセコは、第1戦の2回に逆転グランドスラムを放ち、4回には二盗にも成功。しかし、この試合は9回に代打カーク・ギブソン外野手の代打サヨナラ逆転本塁打が飛び出しアスレチックスは敗戦。その後、カンセコは無安打、無盗塁でアスレチックスはシリーズ1勝4敗で敗れた。
【動画】初代「40-40」のカンセコがワールドシリーズで放った満塁弾
初代「40-40」のカンセコは、記録達成から16年たった今年の9月23日(同24日)に自身のX(旧ツイッター)で「35年前の今日、私は40-40クラブを設立した。その日のことを昨日のことのように覚えている」と「40-40」達成時の“自慢の動画”を投稿。「50-50」を達成した大谷の功績を讃える投稿もあったが、さらに翌日には「オオタニ・ショウヘイが走れるように私が歩いた」と先駆者のプライドをのぞかせた。
■アクーニャJr.は2盗塁も本塁打なし
次にポストシーズンに進出した「40-40」達成者は、2023年に40本塁打&70盗塁をマークしたブレーブスのロナルド・アクーニャJr.外野手だが、チームは地区シリーズで敗退。アクーニャJr.は第2・3戦で盗塁は決めたが、4戦で2安打、本塁打ゼロと打撃は振るわなかった。
その他、1996年に42本塁打&40盗塁で達成したバリー・ボンズのジャイアンツは地区4位、98年に42本塁打&46盗塁のアレックス・ロドリゲスのマリナーズは同3位、2006年に出場試合数最速の147試合で「40-40」を達成し、46本塁打&41盗塁を記録したアルフォンソ・ソリアーノのナショナルズは5位と、「40-40」を達成した残り3人のチームはPS進出に届かなかった。
史上最速の出場125試合目で「40-40」を達成し、前人未到の「50-50」の第一人者となった大谷は、自身初進出のPSでカンセコの記録を超え、悲願のワールドチャンピオンにドジャースを導くことができるのか。その活躍とともに、今後の初代「40-40」達成者のコメントにも注目したい。
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