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前人未到の「50-50」(50本塁打・50盗塁)」に迫り、ナ・リーグMVPの最有力候補に挙げられているドジャースの大谷翔平投手。しかし、メジャー史上最強のDHとして活躍し、米野球殿堂入りも果たしている元レッドソックスのデビッド・オルティス氏は、DH専任である大谷のMVP受賞に異論を唱え、物議を醸している。
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■史上最強DHが大谷の受賞に難色
スペインのスポーツ紙『MARCA』のインタビューに応じたオルティス氏。苦々しい口調で「彼ら(MLB)は常に私がDHだったからMVPを与えないという〝問題〟を抱えていた。今年は『MLBのかわいい女の子』であるオオタニがMVPレースに出ている。彼らが今度は(DH専任を)どのように扱うのか見ものだ」と語った。
さらに、「毎日のように彼らはオオタニが50-50を達成するように励ましているが、その一方でフランシスコ・リンドーア内野手(メッツ)のような選手は抑えられている」とコメント。メディアを含めて球界が大谷に肩入れしていると主張し、MVP投票は“誇大広告”に惑わされることなく、公平であるべきだと訴えた。
DH専任で守備への貢献度がゼロの大谷に対し、遊撃を守るリンドーアは30本塁打、27盗塁、OPSは.827を記録(日本時間11日時点)。これまでゴールドグラブ賞を2度受賞するなど守備にも定評があり、総合力を武器に大谷の前に立ちはだかるものと見られている。
■「危険なステレオタイプを助長」
米複数メディアはリンドーアの活躍は認めつつも、オルティス氏の発言に対しては批判の声を強めている。米スポーツメディア『ドジャース・ネーション』は、「彼は20年に渡る現役生活をほぼDHとして過ごしているが、MVPを受賞したことがない。彼の(大谷に対する)明らかな嫉妬は最近のコメントにも表れている」と指摘。同氏の通算盗塁は17で、大谷より明らかに劣っていることも説明し、「シーズン終了時、MVPは最もふさわしい選手に授与される。史上初の46-46をすでに達成し、50-50も狙っているシーズンが、MVPレースで勝てないと主張するのは難しい」と記し、同氏の意見を切って捨てた。
また、米老舗誌『ニューズウィーク』は、オルティス氏が持ち出した「かわいい女の子」という言葉を非難。「彼がアジア人男性(大谷)を女性化したことは、米国で長年続いてきた危険なステレオタイプを助長するものであり、公の場で議論されるべきことではない」と批判。米国ではアジア人男性は弱く、女性的であるという偏見が一部にあり、アジア蔑視の表現になり得る同氏の発言を看過できないとした。その上で、「近日中にオルティスは再びコメントし、意見を明確化するだろう」とし、このコメントが尾を引く可能性を示唆した。
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