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米スポーツメディア『ジ・アスレチック』の敏腕記者、ケン・ローゼンタール氏がメッツのフランシスコ・リンドーア内野手にロングインタビューを敢行。その模様を30日(日本時間31日)に公開した。大谷翔平投手(ドジャース)とナ・リーグMVPを争うと目される、スター遊撃手のコメントに注目が集まっている。
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■「メッツに入団してくれれば素晴らしい」
30歳のリンドーアは29日(同30日)終了時点で、打率.270、28本塁打、79打点、25盗塁の好成績をマーク。さらに、守備の要・遊撃手でここまで全試合出場し、好守を連発。MVP投票でもっとも重視される勝利貢献度「WAR」(ファングラフス版)では、大谷(6.4)を上回るリーグトップの6.6を記録している。
同日に行われたダイヤモンドバックス戦では、敵地ながら「MVPコール」が起きるほどで、DH専任で守備での貢献度がない大谷に対して、リンドーアが肉薄しているのが現状だ。
ただ、今回のインタビューで話題になっているのは、フアン・ソト外野手(ヤンキース)に関するコメント。リンドーアは先日、米スポーツ専門局『ESPN』のジェフ・パッサン記者に対して「(今オフにフリーエージェントになる)ソトが今度の新契約で、報酬に関するあらゆる記録を破ってくれることを願っています。そして、もしも彼が我々のチームに入ってくれれば、それは素晴らしいことです。彼は私たちの大きな助けになるでしょう」と話しており、これがメッツへの勧誘宣言と受け取られた。
■米メディア「沈黙を破る」と伝える
このコメントについて、ローゼンタール記者から改めて真意を問われたリンドーア。「私がソトについて話したのは、報酬の部分であらゆる記録を破ってほしいということ。ふさわしいものを手に入れてほしいと思っただけです。彼が私たちのチームに加わるなら、それはそれで素晴らしいことですが、彼が他のチームに行ったとしても構いません。とにかく、彼がふさわしいものを得られるなら、それでいいんです」と“釈明”した。
大富豪オーナー、スティーブ・コーエン氏から厚い信頼を得ているリンドーア。同記者から「オーナーからソト獲得について意見を求められたか」と問われると、「その件について、チーム内の誰とも話したことはありません。いかなる人にも『彼(ソト)と契約するべき』とは言っていません」と進言を否定。そして、「なぜ? それは私の仕事ではないからです。私の仕事はメッツの遊撃手として非常に高いレベルでプレーすることで、ソトや他の選手を獲得したいなら、それはフロントが決めることです」とした。
このインタビューが公開されると、米メディアは即反応。『CLUTCH POINTS』は「メッツのリンドーアがソトに関する最近のコメントについて沈黙を破る」と題して、記事を公開。「選手獲得について、オーナーたちが私の意見で判断してほしくない。データに基づいて決定してほしいし、聞くなら私だけでなく他のチームメートの意見も聞いてほしい」といったリンドーアの話を紹介した。
現地ではメッツがソト獲得のために入札合戦を繰り広げるという噂が飛び交っており、ストーブリーグが早くもヒートアップしている。今回のインタビューもそれを裏付ける形となった。
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