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米メディア『FOXスポーツ』は23日(日本時間24日)、「ショウヘイ・オオタニやアーロン・ジャッジはMVP確定か? 最有力候補は? (現役引退を表明した)ジョーイ・ボットは殿堂入りの資格あり?」と題して記事を公開。注目度の高い6つの話題を巡り、ディーシャ・トーサー記者とローワン・カブナー記者が意見を交わした。その中では「ナ・リーグMVP投票で大谷翔平投手が票を失うとしたらどういう場合か?」というテーマも論じられた。
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■9月が低調なら他の選手にチャンス
大谷がMVPを逃すとしたら……。そんなケースについて、「FOXスポーツ」の敏腕記者2人が論じた。
カブナー記者は、8月の打率が22日(日本時間23日)時点で1割台にとどまっている状態を危惧。「9月もこのまま低調なら、他の選手にもMVPの扉は開かれるだろう」と主張した。
ただ、同記者は大谷のライバルたちに目を向け、「彼を追いかけるグループが、現時点では彼を追い抜くほどの結果を出していない。ケテル・マルテ内野手は怪我をする前であれば、その状況を変えるチャンスがあったが……」とし、大谷を脅かす存在がいないと指摘した。
その上で「マルテ、フランシスコ・リンドーア内野手、あるいはエリー・デラクルーズ内野手らが強力なフィニッシュを見せれば、オオタニを逆転することが起きるかもしれない」と予想した。
同記者の結論としては、メジャー史上6人目となる「40本塁打、40盗塁」を超えて、史上初の「45本塁打、45盗塁」の達成に向けて順調に進む大谷がMVPを逃すとしたら、それは9月に入ってもスランプ傾向が続くことと、ライバルたちがこれまで以上の活躍を見せる場合に限るとした。
■今月末からの強豪との対戦がカギ
一方のトーサー記者もカブナー記者に同調。「オオタニが不調に陥れば、他のナ・リーグのトップ選手たちがMVPレースに滑り込んで来る可能性はある」とした。そして、8月末からドジャースはオリオールズやダイヤモンドバックス、ガーディアンズなどプレーオフ進出をうかがう強豪とのカードが控えているため、「優れた投手陣を相手にオオタニが苦労する可能性は否定できない」と、8月の不調から抜け出せないこともあり得るとした。
また、トーサー記者は大谷のメンタルにも言及。エンゼルスでは経験してこなかった終盤のポストシーズン争いに初めて身を置くことになり、「誰もオオタニが緊張するとは思っていないが、うまく対応できるか、あるいは過度に重圧を感じてしまうのか、そこは興味深い」と独自の視点を提供した。
ライバルとしては、米データサイト『ファングラフス』算出の勝利貢献度「fWAR」でリーグトップのリンドーアと、3冠王を射程に入れるマルセル・オズナ外野手を挙げ「もしオオタニがスランプに陥り、それを脱出するのに苦労するようであれば、MVPレースは最後まで競り合うことになるかもしれない」と説明した。
「40本塁打、40盗塁」達成は織り込み済みとしてMVP争いがテーマになるあたり、史上6人目の偉業も決定打とはならず、最後まで気を抜くことはできないようだ。
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