【函館記念/血統展望】北の大地で覚醒する「ロベルトの血」 前走度外視可能の“想定7人気以下”は | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【函館記念/血統展望】北の大地で覚醒する「ロベルトの血」 前走度外視可能の“想定7人気以下”は

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【函館記念/血統展望】北の大地で覚醒する「ロベルトの血」 前走度外視可能の“想定7人気以下”は
  • 【函館記念/血統展望】北の大地で覚醒する「ロベルトの血」 前走度外視可能の“想定7人気以下”は

今週末は、第60回函館記念(GIII、函館芝2000m)が行われる。

前哨戦の巴賞を制したマインドユアビスケッツ産駒ホウオウビスケッツ、前走天皇賞・春6着から臨むキズナ産駒サヴォーナ、こちらも天皇賞・春以来の実戦となるハーツクライ産駒チャックネイトなど、多彩な血統構成の馬が集結。

ここでは、馬券検討のヒントとなる「血統」で本競走を攻略する。

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■ロベルト内包馬の活躍目立つ函館記念

近年の函館記念は血統表のどこかにロベルトの血が入った馬の活躍が目立つ。

昨年3着のブローザホーン(父エピファネイア)や一昨年2着のマイネルウィルトス(父スクリーンヒーロー)のような父ロベルト系はもちろん、昨年の勝ち馬ローシャムパークや一昨年の勝ち馬ハヤヤッコもこれに当てはまる。気付きにくいがハービンジャーやクロフネもこっそりロベルトを抱えているのだ。

過去10年の函館記念を対象に「血統表のどこかにロベルトを抱える」馬の成績を調べてみると【4.5.9.50】で複勝率26.5%、複勝回収率136%とベタ買いでもプラスになる数字が出ている。

とはいえさすがに該当馬が多過ぎるきらいもあるので何か絞るポイントを発見したいところ。

今回はロベルトにプラスして組み合わせたい血脈をピックアップして紹介する。

■好走率を上げるディクタス&ノーザンテーストの血

(1)ミスプロ&スペシャルロベルトにミスプロをあわせるとゴールドディガー≒ブラマリーのニアリークロスが発生する。そこにヌレイエフやサドラーズウェルズなどを経由してスペシャルの血が入ると、ナシュア≒ナンターラのニアリークロスをさらに継続する格好となる。

この組み合わせは馬力を強化することに繋がりやすく、ともするとダートで狙いが立つタイプを多く出すのだが、最終週の洋芝という函館記念特有の条件において効果を発揮するようだ。

手っ取り早いのがミスプロとヌレイエフ経由でのスペシャルを抱えるキングマンボにロベルトをあわせるパターン。過去10年の当レースで馬券に絡んだ父もしくは母父キングマンボ系は7頭いたのだが、このうち5頭がロベルトを併せ持っていた。また函館記念とあまり相性が良くないディープインパクト産駒で馬券に絡んだ3頭のうち、ドゥオーモとアイスバブルはこの組み合わせをしっかりと押さえていたことにも注目したい。

(2)ノーザンテースト&ディクタスこれは配合の妙というより、シンプルに函館記念適性の上昇を見込んだもの。それこそ1990年以前、サッカーボーイやディクターランドの頃から、函館記念はディクタス×ノーザンテーストが席巻してきた。

血統表内にディクタスとノーザンテーストを併せ持つ馬の函館記念の通算成績は【2.4.5.18】で複勝率37.9%。複勝回収率も100%を超える。ディクタスの産駒デビューは昭和の最後なので、実に30年以上もベタ買いしてプラスだったことになる(年数に比してサンプルの数は少ないが……)。

そしてこのディクタス&ノーザンテーストの組み合わせにロベルトを入れると、函館記念では【1.1.4.6】、複勝率50.0%と2頭に1頭が好走する計算に。手っ取り早いのがステイゴールドにロベルトを入れるパターンで、マイネルミラノやバイオスパーク、マイネルファンロンなどがこれに該当した。

■マイネルクリソーラは“小回り向き”血統

今回注目したいのは、ロベルト系の血を持つ馬。該当馬のなかからマイネルクリソーラをピックアップする。

父はロベルト系のスクリーンヒーロー。母父がムタファーウエクなので、シルヴァーホーク3×3というなかなか強烈なクロスを抱えている。母マイネトゥインクルは1400~2000mでJRA4勝。その母マイネブリリアンもJRA3勝を挙げた。

マイネブリリアン→マイネトゥインクルの親子が牝馬ながらに中距離で結果を残したのは、サッカーボーイ由来のスタミナに加えて、ダイオライト5×4とハイペリオンとサンインローをたっぷり抱える牝祖タケノフラッグ由来のスタミナもしっかり伝わっているからだろう。

前述したとおりロベルト&ディクタス×ノーザンテーストは函館記念でなかなかの好成績。ステイゴールド(→ゴールデンサッシュ)経由でないのは珍しいが、マイネルクリソーラはスクリーンヒーローとサッカーボーイ経由でこの組み合わせを引いている。

前走の新潟大賞典は4角で不利を受け、そこでレースが終わってしまう恰好に。また小回り向きの血統構成を考えるとワンターンのコースも合っていなかったのだろう。

2走前の中山記念はコースこそ合っていたものの、結果的にはインの先行馬が残るレースにあって、出遅れて外を回す競馬になった時点でジ・エンド。

中山金杯では1キロもらいでリカンカブールに敗れているとはいえ、向こうは中山2000mの内枠だったのに対しこちらは不利とされる8枠。通ったコースの差を考えればそう差はないはずだ。

このコースでハンデ戦であれば一発狙う余地はあるだろう。

あとは枠と週末の馬場コンディションを見つつ、最終結論に至りたい。

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著者プロフィール

ドクトル井上【重賞深掘りプロジェクト】血統サイエンティスト。在野の血統研究家。旧知のオーナーを中心として、セリや配合のコンサルティング業務を請負中。好きな種牡馬はダノンレジェンドとハービンジャー。苦手な種牡馬はMore Than Ready。凱旋門賞馬Ace Impactの血統表は芸術品なので、ルーヴル美術館に収蔵されるべきとわりと本気で考える三十路の牡馬。

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