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19日から42ndフジサンケイレディスクラシックが川奈ホテルゴルフコース富士コースで開催される。
昨年大会は、最終日17番、180ヤードのショートホールが勝負を分けた。
優勝を争っていた岩井千怜と安田祐香は17番でボギーとし2位タイフィニッシュ。バーディを奪った神谷そらが2位に1打差でツアー初優勝を飾った。
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17番ホールはグリーンが小さい。さらにグリーン手前は落ちれば寄せるのが困難な谷底になっており、手前から攻めることができない。
高くスピンが効いた球を打たなければグリーンに乗らないのだ。
昨年大会では川奈の中で2番目に難しいホールとなった17番ホールで最終日にバーディを奪ったのはたった2名。
その内の1名が神谷だったわけだが、神谷は昨季ドライビングディスタンス1位に輝くほどの飛ばし屋。当然、このホールのティーショットを他の選手よりも短い番手で打つことができ、高い球で攻めることができる。
神谷が7番アイアンで打ったボールは、谷底をギリギリ越えたところにキャリーし、ピン奥3~4メートルほどにグリーンオン。優勝を手繰り寄せるショットとなった。
岩井は手前の谷底に落とし、右手前に切られたピンに寄せきれずボギー。安田は、谷底を回避したものの、グリーン奥までボールは転がり、そこから寄せきれずにボギーとなった。
パリ五輪日本代表入りを狙う岩井も、ツアー初優勝を目指す安田も、確かな成長が見て取れるが、目標達成のためには17番ホールで昨年と同じ失敗を繰り返さないことが求められる。
■岩井千怜、グリーン上で止めきれるか
昨年大会がフジサンケイレディス初出場となった岩井。17番ホールは3日間すべて2オン2パットのボギーだった。
今季のリカバリー率が現時点で2位。昨季の33位からから大きく向上していることを考えると、寄せワンでパーを拾う確率は高まっている。
だが、グリーンにキャリーさせてグリーン上に止まるショットを打ち、楽にパーを拾いたい。
最終ラウンド、優勝を争っていて昨年大会と同じピンポジションだったとしても、グリーンをとらえるショットを見せられるぐらいでなければ、世界ランキング48位で日本勢8番手という現時点の状況から、パリ五輪日本代表入りすることは難しいかもしれない。
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岩井千怜、川奈ホテルGC富士コース、17番の成績
■安田祐香パーでしのげるか
安田は川奈とは相性が良い。昨年の大会だけでなく、2022年大会が3位タイで優勝を争い、2021年大会が8位タイと、過去のフジサンケイレディスすべてで上位フィニッシュしている。
しかし、17番ホールには苦戦。計9回プレーしているが、パーオンしたのは2回で、いずれも初日。そして、ボギーが4回。最終ラウンドは3回ともボギーだった。
ドライビングディスタンスが昨季62位、今季現時点81位。安田のパワーでは、17番ホールのティショットでグリーン上で止まるショットを打つのは難しいのだろう。
グリーンを外すにしてもアプローチしやすい場所に外してパーセーブを狙う、といったコースマネージメントが求められる。
最終日の17番ホールは過去3回ともボギー。得意の川奈で今年も優勝争いに加わった場合‟4度目の正直”でパーを拾うことができると、17番と同じぐらい難しい18番パー4でも耐えることができ、悲願達成の瞬間が訪れるのではないだろうか。
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安田祐香、川奈ホテルGC富士コース、17番の成績
■シェブロン選手権出場の岩井明愛とミレニアム世代
岩井は今回のフジサンケイレディスは、珍しく姉の明愛と一緒の出場ではない。明愛はアメリカで開催される海外メジャー、シェブロン選手権に出場するからだ。
岩井も同大会の出場権獲得を目指していたが、規定の世界ランキングに届かなかったためフジサンケイレディスにエントリー。
今季開幕戦で優勝するなど、メルセデス・ランキング4位につけ、同ランキング28位の明愛を大きくリードしているが、「明愛は今週海外メジャー」と、悔しい思いが強いのは岩井の方だろう。
また、シェブロン選手権には安田と同じミレニアム世代の西村優菜と吉田優利も出場する。
アマチュア時代の実績は、米ツアーを主戦場にしているこの2人よりも安田の方が豊富。岩井同様、海外メジャーに出場するライバルを見て悔しさを感じているのではないだろうか。
昨年大会で優勝を逃した悔しさと、同週の海外メジャーに出場するライバルから受ける刺激をパワーに変えて、岩井と安田が難攻不落の川奈の攻略へ突き進む。
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著者プロフィール
野洲明●ゴルフ活動家
各種スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。より深くプロゴルフを楽しむためのデータを活用した記事、多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとにした論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。