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FAとなった大谷翔平投手を巡り、繰り広げられた激しい争奪戦。最終的には10年総額7億ドル(約1014億円)という契約で、ドジャース入りが決まった。この間、多くのチームが交渉過程について沈黙を貫いてきたが、ここに来て当時の様子が判明。ジャイアンツのファーハン・ザイディ編成本部長が明かした内幕とは……。米複数メディアが伝えている。
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■ジ軍「地理的な理由で不利になると感じた」
大谷がジャイアンツと面談を行ったのは現地2日だった。場所は本拠スタジアムのオラクル・パーク。球団側はザイディ編成本部長のほか、ボブ・メルビン新監督、チームのレジェンド捕手であるバスター・ポージー氏らも出席したという。
ザイディ氏によると、球団が大谷サイドに提示した条件は「彼が最終的にドジャースと合意した内容と同一ではないにせよ、遜色のないものだった」とし、7億ドルに迫る金額を準備していたことを明かした。
さらに、ドジャースとの契約で話題になっている7億ドルのうち97%を「後払い」にするというプランも話し合われ、ジャイアンツ側もこれを了承していたという。金額も支払い方法もドジャースと同等だったにもかかわらず、争奪戦に敗れた理由はどこにあったのか。
同氏によると「ある時点では非常に良い感触を得ていた」そうだが、「彼がやはり南カリフォルニアに留まりたいと希望していることを感じた。我々は契約を実現させるためにいくつかの手を打ったが、特に地理的な理由で不利になると思った」と振り返り、契約締結が難しいことを覚悟したという。
■地元紙「カブスファンは失望にうまく対処」
ザイディ氏の心残りは面談環境にもあったようで、「(大谷を)サンフランシスコ近郊に案内して、周辺の様子や不動産などをチェックしてもらえれば、交渉する上で役に立ったかもしれないが、ファンやメディアに目撃されるのを避けるため、会うのはオラクル・パーク内に限定された」とし、街の雰囲気を感じてもらうことができなかったと悔やんだ。
また、ジャイアンツと同じく大谷争奪戦に敗れたカブスについて、地元紙『シカゴ・トリビューン』は「ファンは失望にうまく対処した」と言及。多くの現実的なファンは、獲得が難しいと当初から予想していたと指摘した。
また、記事は「オオタニと契約しなかったことによって節約できたお金は、他のFA選手に充てられることになる」と説明し、ジェド・ホイヤー編成本部長の「これから数年間、我々は積極的に補強に取り組んでいく。そこには何の疑いもない」というコメントを紹介、次のアクションに期待していた。
今後、大谷争奪戦に敗れた各球団がどのような補強戦略を見せるのか、ストーブリーグはまだまだ目が離せない。
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文●SPREAD編集部