
フリーエージェント(FA)となった大谷翔平投手に関する話題が連日のように報道されている。ただ、移籍先を選ぶ際の条件についてはどのメディアも確信を得ていない。米スポーツメディア『The Athletic』は21日(日本時間22日)、この状況を“ミステリー”と表現し、記事を公開した。大谷は何を求めているのか、元同僚らがコメントしている。
◆大谷翔平の移籍先として「適さない6球団」を選出 相性の悪さ1位は… 米メディアがランク付け
■打って投げて「ジャッジが20勝するようなもの」
『The Athletic』は21日(同22日)、「オオタニは何を望んでいるのか? 前例のないFA争奪戦の中心にあるミステリー」と題して記事を公開。大谷が移籍先を選定する際、何を重視するのか探った。
大谷は今季10勝目を挙げた8月9日(同10日)のサンフランシスコ・ジャイアンツ戦を最後にメディアの取材を受けておらず、MVP受賞が発表された16日(同17日)も恒例の受賞者会見が突然キャンセルとなった。
FAとなって以降、本人が心境を話す機会が一度もないため、新天地に何を求めているか不明のまま。そこで、同メディアは元チームメートらを直撃、核心に迫った。
2018~19年にロサンゼルス・エンゼルスで大谷とプレーしたコール・カルフーンは「オオタニは球界の顔になった。彼がマウンドに上がる時、打席に入る時、みんな立ち止まって見ている」と説明。大谷については「アーロン・ジャッジが、(投手として)20勝するようなもの」と規格外ぶりを形容した。その上で、今回のFAについては「彼はこれまで見たことのないFA選手であり、大きな移籍となる。二刀流がどのような価値を受けるのか見てみよう」とコメントした。
■元同僚、水原通訳にメールで状況聞くも成果なし
さらにカルフーンはその後、大谷の去就に関する情報を求めて水原一平通訳にメールで問い合わせたという。元同僚という利点を生かした大胆な行動だったが、成果はなし。「ショウヘイはプライベートを大事にする人間。彼は目立たないように隠れている。私たちは彼について何も知らない」と白旗をあげた。
同メディアは、侍ジャパンの一員として大谷とともにWBC優勝に貢献したラーズ・ヌートバー外野手(セントルイス・カージナルス)の声も紹介。
大谷が求めるものについて同選手は「私が感じたところでは、オオタニは史上最高の選手になりたいと思っている。ただ、それを公には口にしないだろう。彼と一緒にプレーして分かっているが、とても謙虚な男だ。他の選手たちより少し静かだが、競争意識が高く、彼は史上最高の選手になりたいのだと思う」とし、球団選びにおいて“史上最高の選手になれる環境”がポイントになると示唆した。
カルフーンは「オオタニがどのような契約を結ぼうと、彼の条件に匹敵する契約は長年にわたって現れないだろう。比較するとしたらベーブ・ルースか。比較対象はそれだけだろう」とした。
記事によると、ボストン・レッドソックスは1920年にルースをニューヨーク・ヤンキースに10万ドルの現金で売却したが、そのお金はブロードウェイショーの資金調達に使われたという。
市場価値の高い大谷の移籍劇も球界にとどまらず、各方面に多くの影響を及ぼすのだろうか。米メディアが動向を注視するのもうなずけるところだ。
◆「ドジャースの大谷翔平を見ることはないだろう」専門メディアが争奪戦激化で弱気、行き先は不透明「狂乱が始まる」
◆大谷翔平、データ的にはエンゼルス残留濃厚 MVP受賞後に再契約しなかったFA選手は1例のみ
◆大谷翔平、記録的な900億円級契約の詳細 米専門家が指摘した“1年で退団”の可能性
文●SPREAD編集部