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球団幹部や選手代理人らが集まるゼネラルマネジャー(GM)会議。毎年恒例のイベントだが、今年は7日(日本時間8日)からアリゾナ州スコッツデールで始まった。話題はフリーエージェント(FA)になった大谷翔平一色。会議の様子を米複数メディアが伝えている。
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■ヤンキース「すべての可能性を検討」
米紙『USA TODAY』の敏腕記者、ボブ・ナイチンゲール氏が「ショウヘイ・オオタニがGM会議の話題を独占」と題して、初日の様子をレポートした。同記者は冒頭、「どこを見ても、どこに行っても、聞こえてくるものすべてがオオタニについてだった」と記し、大谷一色に染まった会議の様子を伝えた。
取材に応じたタンパベイ・レイズのエリック・ネアンダー球団最高責任者は、大谷について問われると「我々は才能を愛し、物語を好むものだ。そして、オオタニは確かに我々が見てきた中で、もっとも魅力的な才能だ」と称賛。次の契約については「間違いなく球史に残る決定になる。多くの人々、野球ファンではない人々の期待も集めるだろう」とコメントした。
また、クリーブランド・ガーディアンズのマイク・チャーノフGMは「オオタニは特別な才能を持っている。彼のような選手がこれまでにいたか思い返してみたが、見当たらない。二刀流はまったく異なるダイナミクスを持っている。その価値が市場でどう評価されるか、想像できない。この先どう展開するか不明だ」と話し、今後の交渉について予測不能とした。
同じくヒューストン・アストロズのダナ・ブラウンGMも「彼が最終的にどのチームに行くのか、誰にも分からない。想定外のチームが現れる可能性もある。この世界ではそういうチームがどこからともなく現れるものだ。予測は本当に難しい。それは“神のみぞ知る”だ」とした。
■世界一レンジャーズGMは余裕の構え
一方、複雑な表情を浮かべたのは“古巣”ロサンゼルス・エンゼルスのペリー・ミナシアンGM。「ここ(エンゼルス)はプレーするには最高の場所だ」と訴え、引き続き大谷に残留を求める姿勢を見せた。ただ、その後は「彼は素晴らしい選手で、注目が集まるのは理解できる。我々には我々の計画があり、それを実行するだけ。オフシーズンがどのように展開するか見守ろう」などと一般論に終始した。
また、今季7年ぶりにポストシーズン進出を逃したニューヨーク・ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMも大谷獲得については「彼は素晴らしい選手。それは皆が知っていること。我々はすべての可能性を検討する。何が実現可能で何が不可能か、何が達成可能で何ができないか見極めるつもりだ」と慎重に言葉を選んだ。
一方、ワールドシリーズ(WS)を制したテキサス・レンジャーズのクリス・ヤングGMは余裕の構え。大谷の移籍先候補として名前が浮上していることについて問われると「光栄だね。我々はWSを勝ち取ったし、勝利を望む選手がテキサスに関心を持ってくれることを願っているよ」と笑顔で報道陣を煙に巻いた。
世界一軍団にはコーリー・シーガー、マーカス・セミエン、アドリス・ガルシアらすでに強打者が揃っており、打線に関しては補強不要に見える。しかし、今季はDHを固定せず、4人で回しており、そのうちミッチ・ガーバーら3選手がFAになった。来季DH専念となる大谷獲得に動いても不思議ではない。
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文●SPREAD編集部