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秋の高額賞金大会としておなじみの三井住友VISA太平洋マスターズが、9日から静岡県の太平洋クラブ・御殿場コースで開催される。
昨年は石川遼が星野陸也とのプレーオフの末、約2年11カ月ぶりに優勝。ゴルフファン待望の復活劇となった。
その石川は今季、三井住友カードとスポンサー契約を結び、はじめてホストプロとして同大会に臨む。これまでの中長期的な取り組みが結果に結びついてきている最近の状態を見ると、ホストVそして連覇は十分にあり得る。
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■過去3勝と好相性
石川は三井住友VISA太平洋マスターズの2010年と12年大会でも優勝しており計3勝をあげている。
また、プロデビューイヤーの2008年大会から6年連続トップ10入り(5位タイ、4位タイ、優勝、8位タイ、優勝、2位タイ)しており、これにも相性の良さが表れている。
2018年に、世界的なコース設計家、リース・ジョーンズ氏の計画と松山英樹監修のもと、太平洋クラブ・御殿場コースは全面改修が行われたが、昨年大会の優勝で変わらない相性の良さを感じさせた。
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石川遼の三井住友VISA太平洋マスターズ成績
■米ツアー初日パーオン率94.44%
10月19日から千葉県のアコーディア・ゴルフ 習志野カントリークラブで開催された米ツアー、ZOZOチャンピオンシップで、石川は4位タイに入った。
そして、同大会トップ10の選手に与えられる、2日からメキシコで開催のワールドワイドテクノロジー選手権の出場権を行使し、出場した。
結果はカットラインに2打足りず予選落ちだったが、初日は18ホール中17ホールでパーオンし、パーオン率が94.44%だった。1ホール、ティーショットでペナルティエリアに打ち込むトラブルに見舞われ、トリプルボギーとしたことが予選通過に向けて大きなダメージとなった。
2日目は5回パーオンを逃したが、その5回すべてパーをセーブ。
2日間を通して、パーを逃したのは初日のトリプルボギーとなった1ホールのみ。36ホール中35ホールはパーかバーディだった。
課題のフェアウェイキープ率は、初日と2日目ともに71.43%。全体的に他の選手もフェアウェイキープ率が高めだったため、石川の数字をドライバーの調子としてそのまま受け取らない方が良いだろうが、本人からは「ゴルフの感じは悪くない」というコメントが聞かれた。
ZOZOチャンピオンシップの前週の日本オープン2位から続く良い流れは、まだ生きていると見て良いのではないだろうか。
■優勝して賞金王争いに加わるか
昨年大会のウィニングパットが決まった直後の石川のリアクションが思い出される。スッと脱力し目を閉じ小雨が降る空に顔を向けた。
大会公式サイトのトップページにその時の写真があるが、見方によっては、勝負のパットを外して天を仰いでいるようにも見えなくもない。
それが、勝てなかった期間の苦しさや長さを物語っているようだった。
昨年大会の優勝が、過去の取り組みが脳裏をよぎる優勝だとすれば、今回優勝すれば、それはより明確に未来につながる優勝になる。
石川は米ツアー復帰に向けて結果よりも内容を重視してツアーを戦っている。とはいえ、日本ツアーで結果を出せないことには、米ツアーで戦うことは難しいと言わざるを得ない。
日本オープンで優勝を争ったとはいえ、ZOZOチャンピオンシップで日本人選手最上位だったとはいえ、今季まだ勝利がない。
状態の良さ、相性の良いコース。流れ的に勝つチャンスがやってきた。勝てば、今季の獲得賞金が1億円を超え、賞金王争いに加わる。
石川が日本男子ツアーを盛り上げる。
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著者プロフィール
野洲明●ゴルフ活動家
各種スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。より深くプロゴルフを楽しむためのデータを活用した記事、多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとにした論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。