
女子ゴルフの国内第34戦「樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント」(埼玉県・武蔵丘ゴルフコース/6650ヤード、パー72)は29日、最終ラウンドが行われ、リ・ハナ(韓国)、仁井優花、山下美夢有が通算9アンダーで並んでホールアウト。プレーオフの末、リが逆転でツアー初優勝を飾った。
また、山下はPOで敗れたものの、メルセデス・ランキングではトップに返り咲いた。
◆【実際の映像】プレーオフ1ホール目で見せた、リ・ハナのスーパーショット!ツアー初優勝を決めた決定打
■優勝の行方、最後まで分からず
最終日は、序盤から目まぐるしく順位が変動する展開となった。
トーナメントリーダーの鈴木愛は1番パー5でパーオンできず、予想外のボギー発進。最終組で一緒に回る山下は3打目をピタリと寄せてバーディ。山下がいきなりスタートホールで鈴木を捕らえた。
3番、今度は山下がパーオンできず、アプローチもオーバーしてボギー。だが、続く4番で難しい下りのラインを見事に沈め、バウンスバック。この間、首位に並んできたのが、最終組の1つ前を行く竹田麗央。1番パー5で2オン2パットのバーディ、4番パー3でベタピンにつけバーディ。8アンダーとし、鈴木、山下に追いついた。
8番パー3で竹田がピンチを迎える。ティーショットがグリーン左バンカーに捕まり、2打目もショート。ここから2パットで痛恨のダボ。
最終組の山下は7番、2打目をピン右手前2メートルに寄せバーディ。単独首位に躍り出る。続く8番パー3、山下・鈴木ともグリーンを捕えられず、鈴木のバンカーショットは大きくオーバー、山下のアプローチもやや大きくなる。ここで鈴木は、長いパーパットを見事に沈めるナイスセーブ。山下はこの日2つ目のボギーとしてしまう。
一方、前半4つ伸ばした岩井姉妹の妹・千怜、2つ伸ばした仁井が8アンダーとして前半を終えており、鈴木・山下・千怜・仁井が8アンダー首位タイに並んだ。
前半最後の9番パー5、山下は3打目をピン手前2メートルにつけバーディ。再びバウンスバックに成功し、9アンダー単独首位に立って勝負のサンデーバックナインへと向かった。
最難関の10番、山下は左手前約5メートルのパットをねじ込み、大きなバーディ。2位と2打差、ただ一人2けたの10アンダーに乗せる。
11番、鈴木が大トラブルに見舞われる。2打目がグリーン左バンカーに捕まり、ピンに向かって下っていく難しいアプローチ。ボールを高く上げるがグリーンに届かないこと3度、結局+4をたたき、優勝から大きく後退してしまう。
これで山下が断然有利になるかと思われたが、12番で3パットのボギー。後半ずっとパーでしのいでいる千怜との差が1打となる。山下は13番、2打目を右手前1メートルにつけバーディ。またしてもバウンスバックするも、14番でこの日4つ目のボギー。
千怜はインに入ってずっとパーでしのいできたが、15番パー3でこの日初めてのボギー。千怜と同じ組で回るリ・ハナが、入れ替わるように上がってくる。前半3つ伸ばし、後半はパーを続けてきたが、15番でピンハイからの長いバーディパット、グリーンの傾斜を読み切って見事に沈め、8アンダー単独2位、山下と1打差に詰め寄る。
17番、後半1ボギーで耐えてきた仁井がピン手前からバーディを奪い、山下と1打差の2位タイに浮上する。一方で山下は16番、短いパーパットがカップに蹴られ入らない。これで、リ・仁井・山下が8アンダー首位タイに並び、優勝の行方が全く分からなくなる。
最終18番パー5、リはバンカーからの3打目をピタリと寄せバーディフィニッシュ。この試合で初めて単独首位に立ち、クラブハウスリーダーとして仁井、山下を待つ。
仁井は18番で2オン成功。入れれば限りなく初優勝に近づくイーグルパット、ボールは左を抜け、しっかり打った分オーバーしたが、返しのバーディパットを決め、首位に並んだ。
最低でもバーディが必要になった山下だが、2打目できっちりグリーンを捕える。入れれば優勝というイーグルトライ、惜しくも左に切れて入らない、だが、返しのバーディパットは難なく沈めて首位タイに。決着は、リ・仁井・山下3人のプレーオフに持ち越された。
プレーオフ1ホール目。リが会心の2打目を放ち、ただ一人2オンに成功する。仁井は3打目のアプローチをワンピンに寄せるが、山下のアプローチは大きくオーバー。
山下は返しのバーディパットを決められず、優勝が遠のく。そして、入れれば優勝というリのイーグルパット、わずかに左に切れるもバーディは確実という状況。続く仁井のバーディパットは惜しくも右を抜ける。リはバーディパットを難なく決め、笑顔で両腕を大きく上げ万歳。感極まって号泣する丹野啓介キャディーをリが慰めにいく場面がほほ笑ましかった。リはJLPGAツアー初優勝。5打差をひっくり返しての大逆転劇となった。
■主な上位選手最終成績
上位選手の主な最終成績は以下の通り。
優勝/9アンダー/リ・ハナ2位タイ/9アンダー/仁井優花、山下美夢有4位/8アンダー/川岸史果5位/7アンダー/岩井千怜6位タイ/6アンダー/藤田さいき、後藤未有、原英莉花9位タイ/5アンダー/天本ハルカ、ペ・ソンウ(韓国)
蛭田みな美、桑木志帆、小祝さくら、菊地絵理香は4アンダー11位タイ。ささきしょうこ、竹田麗央は3アンダー15位タイ。菅沼菜々、岩井明愛は2アンダー17位タイ。山内日菜子、鈴木愛は1アンダー19位タイに終わった。
◆涙するキャディとスマイルハグ…リ・ハナが笑顔いっぱいの初優勝 日本語で決意「2勝目、3勝目を目指して頑張ります」
◆【ロレックスランキング】ツアー初優勝のリ・ハナは現在225位、接戦を演じた山下美夢有は…今週活躍した選手たちの順位は…
◆プロ2年目の21歳・仁井優花がホールインワン達成! 傾斜使ったスーパーショットに現地騒然
文●河野道久
/#プレーオフ 第1ホールで決着!✨
\#リハナ が激戦を制し、見事JLPGAツアー初優勝!!!👑🎉ライブ配信はこちら▼
🔗DAZN https://t.co/dphj8KQxC9
🔗U-NEXT https://t.co/WIHUucxZXK#JLPGA pic.twitter.com/kVr5v9wnRB— 日本女子プロゴルフ協会(JLPGA) (@JLPGA_official) October 29, 2023