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今季オフにFAとなる、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平。チームに残留するか、新天地を求めて移籍するのか。連日のように現地メディアでも報じられ、その動向には大きな注目が集まっている。
今回は、MLBの公式データを元に、大谷が来季所属するチームが本塁打数にどのような影響を及ぼすのか検証してみたい。
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■かつてはバリー・ボンズも本拠地に
今季大谷は打率.304、44本塁打、95打点で自身初の本塁打王を獲得した。今季のメジャー最長飛距離493フィート(約150メートル)の本塁打を記録するなど、規格外のパワーも印象的な1年だった。環境に関わらず高いパフォーマンスを維持できるのは間違いないだろうが、移籍先候補の中には、打者・大谷と相性がよくないチームも存在する点は抑えておきたい。
大谷にもっとも影響を及ぼしそうなのが、ナ・リーグ西地区のサンフランシスコ・ジャイアンツだ。ジャイアンツの本拠地オラクルパークは、右中間が変則的に深くなっており、フェンスまで128メートルという左打者泣かせの球場だ。海風の影響も受けるため打球が飛びにくく、大谷にはデメリットが多い。イチローが2007年にオールスターでランニングホームランを記録した球場、と言えば思い出していただけるだろうか。
MLB公式『Baseball Savant』では、球場ごとの偏りを表す指標「パークファクター」が詳細に掲載されている。本塁打の出やすさを始め、打球の飛距離に影響する要素(風、標高、気温、屋根の有無など)が比較でき、各球団が目指すチーム作りにも理解を深められるのが魅力だ。
オラクルパークのパークファクターは、平均を100とした場合に直近3年間で「97」の指標。一見、打者に不利なようには感じないが、“本塁打の出やすさ”だけに限ると「83」まで大幅に減少する。これは、メジャー全30球場で3番目に低い数値。今季大谷が記録した44本塁打のうち、「(気候などの影響も受け)オラクルパークだけスタンドインしない」ものが5本もあるのだから驚きだ。
1年間オラクルパークでプレーし続けた場合、大谷は今季「34本塁打」になるという信じられないデータも。センター方向への打球が増加し、とりわけ右中間への長打が多い近年の大谷にとっては“鬼門”になりうる球場だということだ。
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文●有賀博之(SPREAD編集部)
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