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4日(日本時間5日)に行われた、ミネソタ・ツインズとトロント・ブルージェイズのア・リーグワイルドカードゲーム第2戦で衝撃のプレーが飛び出した。
試合後にツインズ遊撃手のカルロス・コレアらが、5回表に成功させた「牽制死」の舞台裏を明かし反響を呼んでいる。
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■完封リレーの“立役者”に
話題となったのは5回表、ブルージェイズの攻撃中に起こった一幕についてだ。2死二、三塁で打席には若手成長株のボー・ビシェット。カウント3-2で二塁走者のブラディミール・ゲレーロJr.が牽制球でタッチアウトに。一見、普通の牽制死に思われるが…実は「ピッチコム」を利用した、近代野球ならではの“頭脳プレー”だった。
「ピッチコム」とは主に投手と捕手が着用し、次の投球に関するサインを共有できる電子機器のこと。捕手が球種とコースを送信し、投手がそれを受け取る。大谷翔平のように、投手側からサインを送るケースも稀にある。
ツインズはこのシステムを巧みに使い、牽制死を成功させた。ゲレーロJr.のリードが大きくなったところで、遊撃手のコレアからベンチへ指示、それを受けた捕手ライアン・ジェファーズがピッチコムを使いマウンド上のソニー・グレイへ牽制のサインを送った。グレイは走者に一切視線を送らず、セットポジションから素早く二塁へ送球。予め駆け込んできたコレアがタッチし、油断していたゲレーロJr.を仕留めたというのだから驚きだ。
また、ピッチコム公式SNSの投稿により、ピッチコムには「timing pick second base(今二塁を刺せる)」という音声が搭載されていると明らかに。導入を後押ししたのが、当時コレアも所属していたヒューストン・アストロズのサイン盗み騒動だったのだから、数奇な巡り合わせと言うべきか。
これにより好機を逸したブルージェイズは完封負けで敗退し、ツインズが7日(同8日)からの地区シリーズに進出。コレアの古巣、アストロズとの対戦が決まっている。
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(H.Ariga/SPREAD編集部)
Our own version of Duck, Duck, Gray Duck.
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