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【全米オープン】小田凱人はGS3勝目かけてライバル撃破へ NY帰還の錦織圭も絶賛の西岡良仁は“元全米覇者”と激突

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【全米オープン】小田凱人はGS3勝目かけてライバル撃破へ NY帰還の錦織圭も絶賛の西岡良仁は“元全米覇者”と激突
  • 【全米オープン】小田凱人はGS3勝目かけてライバル撃破へ NY帰還の錦織圭も絶賛の西岡良仁は“元全米覇者”と激突

28日から今年最後のグランドスラム、全米オープンが開幕する。

22日から始まった予選には、10名の日本人選手が出場。男子予選、第4シードのダニエル太郎と島袋将が厳しい3戦を勝ち上がり、本戦出場を決めた。島袋は、ウィンブルドンに続き今大会初出場で予選を突破。グランドスラム予選で未だ負けなしの強さを発揮している。

173位の内島萌夏と195位の坂詰姫野は本戦に王手をかけたが、接戦の末に予選決勝で敗退。GS本戦まであと一歩だった。20歳の望月慎太郎と、ジュニア以来に6年ぶりにグランドスラムの舞台へと戻った24歳の清水悠太、172位の本玉真唯、GS初参戦の222位の加治遥は2回戦で敗退。日比野菜緒と内田海智は惜しくも1回戦で敗れた。

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■本戦は日本男子5名、快進撃となるか

本戦には43位の西岡良仁をはじめ、88位の綿貫陽介、そして353位の錦織圭が登場予定だ。錦織は2021年以来にニューヨークへの帰還。エントリーにはプロテクトランキング(負傷などによる長期離脱選手の救済措置)48位を使っての本戦の出場権を獲得した。だが25日に行われた会見で、先月に行われたアトランタ・オープンで負傷したひざの状態が回復しきっていない現状を報告。

「正直、ちょっと(全米オープンの出場は)フィフティフィフティではある」と吐露しながらも、「グランドスラムへかける想いがある」と試合直前まで調整をし、出場の可否を決める予定だ。初戦は予選通過者のフェリペ・メルゲニ・アルビス(ブラジル)との対戦が決まっている。

西岡の初戦の相手は、2016年の全米覇者スタン・ワウリンカ(スイス)だ。現在、30位~40位台をキープしている西岡の活躍には、元4位の錦織も「個人的にはかなり凄いことだと思っている」と評価している。ワウリンカの多才なショット、そしてクレバーな戦略をどうやって突破するか。これまで鍛え上げてきた西岡ワールドで全米覇者を翻弄できるか期待がかかる。

綿貫の初戦は、第22シードのエイドリアン・マナリノ(フランス)と顔を合わる。綿貫はウィンブルドン後に、ワシントン(ATP500)で3回戦へと進出。念願のトップ100入りを達成した今、新たなレベルでの戦いに備えている。ダニエル太郎は元11位のガエル・モンフィス(フランス)と、島袋は98位のヒューゴ・ガストン(フランス)と対戦する。

テニスの西岡良仁 (C) Getty Images

■車いすテニス 小田凱人のGS3勝目となるか

9月5日から車いすテニスが開幕。全米では各種16人が出場できる。

全仏とウィンブルドンを制し、車いすテニスの最年少記録を更新し続ける小田凱人は、今季最後のGSタイトルに向け前進。ライバルのアルフィー・ヒューエット(イギリス)は全米3連覇中。白熱する2人のライバル関係に待ったをかけるのは誰か。8位の三木拓也、9位の眞田卓、そして11位の荒井大輔がライバル候補として、世界の頂に挑戦する。クアードクラスは、菅野浩二が出場。

女子は3年連続の年間グランドスラムを狙う女王、ディーデ・デグルート(オランダ)が最大のライバルとして全選手の前に立ちはだかるはずだ。日本からは2位の上地結衣を筆頭に、4位の大谷桃子、7位の田中愛美、15位の船水梓緒里が全米タイトルを狙う。

■アルカラス、全米2連覇なるか

昨年はカルロス・アルカラス(スペイン)がニューヨークの地でGS初優勝。今年はウィンブルドンで2002年以来のビッグ4(ロジャー・フェデラー、ラファエル・ナダル、ノバク・ジョコビッチ、アンディ・マリー)以外のチャンピオンとして、昨年の全米に続きGS2勝目を獲得した。まだまだ伸びしろ豊富な20歳が、今大会第1シードとして登場。

そして第2シードにはGS23勝を誇り、今月のW&Sオープン決勝でアルカラスとの死闘を勝ち取り優勝したノバク・ジョコビッチ(セルビア)だ。新進気鋭のアルカラスがウィンブルドンでビッグ4の時代を終わらせたとされる今に、まだまだ自身の力を証明し続けている。また全米での連覇は2000年以降、極端に難しいと証明されている。2004年からのロジャー・フェデラーの5連覇以外、誰もタイトル防衛に成功していない。この2人の頂上決戦となるか。はたまた新たなチャンピオンが生まれるか。この夏の終わり、ニューヨークの熱は高まるばかりだ。

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著者プロフィール

久見香奈恵●元プロ・テニス・プレーヤー、日本テニス協会 広報委員

1987年京都府生まれ。10歳の時からテニスを始め、13歳でRSK全国選抜ジュニアテニス大会で全国初優勝を果たし、ワールドジュニア日本代表U14に選出される。園田学園高等学校を卒業後、2005年にプロ入り。国内外のプロツアーでITFシングルス3勝、ダブルス10勝、WTAダブルス1勝のタイトルを持つ。2015年には全日本選手権ダブルスで優勝し国内タイトルを獲得。2017年に現役を引退し、現在はテニス普及活動に尽力。22年よりアメリカ在住、国外から世界のテニス動向を届ける。

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