【WRC】第8戦ラリー・エストニアが開幕 超高速グラベル3年連覇を狙うトヨタ勢はエバンスが首位スタート | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【WRC】第8戦ラリー・エストニアが開幕 超高速グラベル3年連覇を狙うトヨタ勢はエバンスが首位スタート

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【WRC】第8戦ラリー・エストニアが開幕 超高速グラベル3年連覇を狙うトヨタ勢はエバンスが首位スタート
  • 【WRC】第8戦ラリー・エストニアが開幕 超高速グラベル3年連覇を狙うトヨタ勢はエバンスが首位スタート

2023年FIA世界ラリー選手権WRC)第8戦ラリー・エストニアは20日、エストニアのタルトゥを中心に開幕。オープニングステージとしてスーパーSSが1本行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamエルフィン・エバンスが3分3秒1で首位スタートを切った。

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■勝田は5位から巻き返し表彰台なるか

2位にはタイム差なしでヒョンデのエサペッカ・ラッピ。3位にはコンマ1秒差でカッレ・ロバンペラ勝田貴元は2秒6差で5位だった。

第7戦のサファリ・ラリー・ケニアで、TGR-WRTは昨年大会に続き1-2-3-4フィニッシュを達成。チームはマニュファクチャラー選手権で、ロバンペラはドライバー選手権で首位の座を守り、エバンスはドライバー選手権2位に順位を上げました。そのサファリ・ラリーから約3週間のインターバルを経て開催されたラリー・エストニアは、第5戦から第7戦にかけて3戦続いたラフ・グラベル(未舗装路)ラリーとは大きく異なり、非常にスムースな路面を舞台とするハイスピードなグラベル・ラリー。

20日のデイ1は、サービスパークが置かれたエストニア第2の都市「タルトゥ」の南側エリアで、午前中にシェイクダウンが行われ、4.08キロのグラベル・ステージでロバンペラがベストタイムを記録。ワークス登録ドライバーとしては今シーズン3回目の出場となる勝田が4番手タイムを、エバンスが5番手タイムを記録した。

夕刻18時半からは、タルトゥの市街地でセレモニアルスタートが行われ、その後8時過ぎからオープニングのスーパーSS1がスタート。エストニア国立博物館の敷地内に展開するサービスパークのすぐ近くで、全長3.35キロのグラベル・ステージが行われ、オィット・タナック(Mスポーツ・フォード)がベストタイムを記録。0.6秒差でエバンスとエサペッカ・ラッピ(ヒョンデ)が2番手タイムを分け合った。

しかし、タナックがシェイクダウン後にエンジン交換を行なったことで5分間のペナルティを課せられ、エバンスがラッピと同タイムで首位に。また、ロバンペラはエバンスとコンマ1秒差の総合3位に、勝田は2.6秒差の総合5位につけ、森林地帯での本格的な戦いが始まるデイ2に挑む。

エバンスは「このラリーを楽しみにしていました。ステージはここ数戦とは明らかに違うので、ハイスピードな道に素早く適応できることを願っています。今朝のシェイクダウンはいいフィーリングを得るための重要な機会だったので、セットアップをいくつか試しました。今晩最初のステージは他のステージとは大きく異なり、道幅が狭くてツイスティで、路肩には大きな石がたくさん並んでいました。そのため、ミスなくしっかりと走ることに専念しましたし、これで明日に向けて気持ちを切り替えることができます。エストニアの道は路面がかなり軟らかいため、ステージを1回目に走行する時と、2回目に走行する時ではコンディションが大きく変わります。明日は出走順が2番手なので、午後の再走ステージでは路面の変化に驚くかもしれません」とデイ2に向け気を引き締めた。

■勝田「できる限り良い走りをしたい」

セレモニアル・スタートに姿を見せた勝田貴元 (C) Toyota Gazoo Racing WRT

ロバンペラは「エストニアに戻ってくることができて嬉しいです。エストニアはとても好きなラリーですし、このような道や路面を走ることを楽しめているので、ポジティブな気持ちでラリーをスタートすることができました。今晩走行したタルトゥでの最初のステージは常に面白く、非常にテクニカルでトリッキーな狭い道なので僅かなミスも許されず、クリーンな走りに徹しました。明日は滑りやすいグラベルに覆われたステージが多く、今大会最長のステージもあるため、自分たちにとっては非常に重要な一日となります。このような高速ラリーで遅れを取り戻すのは簡単ではないので、トップに近い位置につけられることを願っています。雨が少し降り続いているので、それが自分たちにとって助けになるかもしれませんが、太陽が出ると路面は急速に乾くので、どうなるか様子を見たいと思います」は相性の良いラリーながら予断を許さないとの見方を示した。

勝田は「エストニアは好きなイベントのひとつなので、とても楽しみにしていました。シェイクダウンではクルマの動きがとても良く感じられたので、チームは素晴らしい準備をしてくれたのだと思います。このクルマでエストニアのステージを走ることに興奮していますし、明日からはきっと楽しい3日間になると思いますが、それと同時に大きなチャレンジにもなるでしょう。今晩最初のスーパーSSは道路脇に大きな石があって、もし当たってしまったら何が起こってもおかしくなかったですし、ラリーが簡単に終わってしまう可能性もあったので、とにかく確実に走り切りました。明日は重要な一日になると思うので、ハードにプッシュし、できる限り良い走りをしたいと思っています」と前向きに3日間に挑む。

チーム代表のヤリ-マティ・ラトバラは「今夜、最初のステージで何のドラマもなくラリーをスタートすることができて良かったです。エルフィンがラリーをリードしていますが、タイム差は非常に僅かです。我々は以前からエストニアでは好調でしたし、このようなハイスピードなイベントは通常、我々のクルマにとても合っています。また、このラリーのためにエンジンをアップグレードしたので、それが高速セクションで助けになることを期待しています。シェイクダウンでは、我々のクルマがうまく機能していることを確認できたので、ドライバーたちは自信を持ってラリーをスタートすることができました。今日は雨も降りましたし、森の中の道が湿った状態であり続ければ、カッレとエルフィンは早い出走順による路面のクリーニングにそれほど悩まされることもなく、優勝争いに加わるチャンスを得られると思います」と必勝を期した。

ラリー・エストニア 提供:TGR/WRC

競技2日目となる21日デイ2は、サービスパークの北側と南側エリアで、3本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。その後、南側エリアで1本のステージを走り、その合計距離は133.38キロと4日間で最長の一日となる。

■ラリー・エストニア デイ1の結果

1 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) 3m03.1s2 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +0.0s3 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +0.1s4 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +1.0s5 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +2.6s6 テーム・スニネン/ミッコ・マルックラ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +3.9s7 ピエール=ルイ・ルーベ/ニコラ・ジルソー (フォード PUMA Rally1 HYBRID) +4.4s8 ミコ・マルチェク/シモン・ゴスポダルチェク (シュコダ Fabia RS Rally2) +5.9s9 ゲオルク・リンナマエ/ジェームズ・モルガン (ヒョンデ i20 N Rally2) +6.0s10 アンドレアス・ミケルセン/トシュテン・エリクソン (シュコダ Fabia RS Rally2) +6.6s

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文●SPREAD編集部

《SPREAD》
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