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【ラグビーW杯】フランス大会直前のテストマッチに注目 優勝への道のりはいかに

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【ラグビーW杯】フランス大会直前のテストマッチに注目 優勝への道のりはいかに
  • 【ラグビーW杯】フランス大会直前のテストマッチに注目 優勝への道のりはいかに

ラグビーワールドカップ・フランス大会の開幕が2カ月後に迫った。

2019年日本大会ではベスト8進出を果たし、大きな感動を与えてくれた。そのジャパンが掲げる目標は、ズバリ「優勝」。夢に向けての最終調整、インターナショナル・マッチ6試合をどう戦うか、戦力分析に興味が高まる。

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■W杯のメンバー入りを目指すセレクションが始まる

2019年大会では、サンウルブズという代表強化チームがスーパーラグビーで腕を磨いた。しかし、今大会は対外試合での準備は手薄になった。7月8日のオールブラックスⅩⅤとの試合は昨秋の欧州遠征以来と。いったい、現時点でのジャパンの実力はどの程度なのか、海外からも注目が集まる。

まずは、7月6日に発表されたオールブラックスⅩⅤ戦のメンバーを見てみよう。スターターには、ジョネ・ナイカブラ(WTB)、福井翔太(FL)、アマト・ファカタビ(LO)と3人のノンキャップが選ばれた。身長195センチのファカタビは、ラインアウトでの活躍が期待される。また、リーグワンで新人賞を獲得した長田智希(CTB)、シオネ・ハラシリ(PR)もベンチ入りしている。新しいメンバーを多く選出したことは、厳しいセレクションが始まったというメッセージでもある。

注目のスタンドオフは先発に松田力也が入り、サブには小倉順平が選ばれた。昨年、松田がケガで離脱している間に10番に最も近づいた李承信はベンチ入りを逃した。小倉はフルバックもできるユーティリティー・プレーヤー。スコッド全体を見渡してのテストといえるだろう。

ウイングにセミシ・ワシレアとナイカブラを起用して、松島幸太朗をFBに回した点も注目だ。世界のトップチームは強烈な突破力を誇るウイングがズラリとそろう。ウイングはディフェンス面でもパワーが重視される。その点、松島をよりステップワークが生かせるFBで使うことは意味がありそうだ。今回、メンバーからは外れたが、木田晴斗、シオサイア・フィフィタというWTBのタレントがいることも考慮された。

いったいどんなメンバーで本番に臨むのか、興味は尽きない、W杯登録メンバーは33人だ。

■キャプテンは経験を重視して、リーチと流

リーチ・マイケル (c)Getty Images

もうひとつの注目は誰がキャプテンを務めるか、だった。結果的には、リーチ・マイケル流大の共同キャプテンという、経験を重視した選出となった。これについてジェイミー・ジョセフHCは「現代ラグビーでは先発した主将が最後までプレーすることはあまりない。流には後半、チームを牽引してほしい」とコメントしている。

なお、7月5日には、W杯後にジェイミー・ジョセフが退任することが報道された。7年半にわたってジャパンを率い、初のベスト8入りを果たした指揮官にとって、フランス大会の意味はさらに重くなったはずだ。それは選手たちにとっても同じだろう。ジェイミーのために結果を残す。チームの思いはひとつだ。

対戦するオールブラックスⅩⅤのスコッドも見ておこう。ナショナルチームに準じるセカンドチームという位置づけだが、正代表のキャップを持つ選手が10人も来日した。しかも、まだ本大会出場の望みがかかる選手ばかり。必死でアピールしてくるに違いない。

なかでも、アキラ・イオアネ(FL)、ジャック・グッドヒュー(CTB)、ブラッド・ウェーバー(SH)はビッグネーム。イオアネは21、グッドヒューは18のキャップを保持している。とても簡単に勝てる相手ではない。それだけにジャパンの戦力を計るうえでも、絶好の対戦相手といえそうだ。きっといい試合になるだろう。

今後のジャパンのインターナショナル・マッチのスケジュールは以下の通り。7月22日には本番で対戦するサモア代表との一戦も組まれている。真夏の熱い戦いから目が離せそうにない。

■ラグビー日本代表スケジュール

7月8日 JAPAN ⅩⅤ vs All Blacks ⅩⅤ(秩父宮ラグビー場)7月15日 日本代表vs All Blacks ⅩⅤ(えがお健康スタジアム)7月22日 日本代表vs サモア代表(札幌ドーム)7月29日 日本代表vs トンガ代表(花園ラグビー場)8月5日 日本代表vs フィジー代表秩父宮ラグビー場)8月26日 イタリア代表 vs 日本代表(イタリア遠征)

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著者プロフィール

牧野森太郎●フリーライター

ライフスタイル誌、アウトドア誌の編集長を経て、執筆活動を続ける。キャンピングカーでアメリカの国立公園を訪ねるのがライフワーク。著書に「アメリカ国立公園 絶景・大自然の旅」「森の聖人 ソローとミューアの言葉 自分自身を生きるには」(ともに産業編集センター)がある。デルタ航空機内誌「sky」に掲載された「カリフォルニア・ロングトレイル」が、2020年「カリフォルニア・メディア・アンバサダー大賞 スポーツ部門」の最優秀賞を受賞。

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