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ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平は1日(日本時間2日)、本拠地で行われたアリゾナ・ダイヤモンドバックス戦に「3番DH」で先発出場。4打数無安打に終わり、7月の号砲はお預けとなった。
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■五十嵐亮太は「100%」と回答
しかし、6月終了時点で30号達成には日米を問わずメディアが注目。MLB公式SNSはこの日も「大谷の一発についての話題は、まだ軌道上を回っている」と投稿するなど1日経った後も、驚きを禁じえないとした。
日本ではNHKが「大谷翔平 日本選手初の快挙へ ホームラン王の可能性は」と題した特集コーナーを設置。各識者に大谷、ホームラン王への可能性を聞いた。
現地中継局の解説者マーク・グビサ氏は「ホームラン王は間違いない。なぜなら今年はセンターからレフト方向に多くのホームランを打っているから。無駄のない完璧はスイングになっています」と解説。
センターから右へ35本と全体の76%、左へは11本の24本だった2021年と比較すると今シーズンはここまで右へ19本の63%、左へは11本の37%と広角に叩き込んでいる点を挙げた。
「今までは外に逃げるボールにバランスを崩される傾向にありました。今年はほとんどありません。速球も変化球もあらゆる球種をホームランにしています。これは投手にとって恐ろしいことですよ」と付け加えた。
地元『オレンジ・カウンティ・レジスター』紙のジェフ・フレッチャー記者も「今の調子が続けばいけますよ。一昨年のようなことがなければね。一昨年は彼が二刀流としてフル出場した初めてのシーズンだった。そのため後半戦は疲労がたまり長いスランプに陥りました。今年は今の理想的なスイングを維持できるかがカギになるでしょう」とした。
大谷は21年、オールスター・ブレイクまでに33本と今季同様のペースで打ちまくりながら、後半は13本と失速したが、この点を心配したかたちだ。
これに異を唱えたのは、野球の動作解析の専門家・筑波大学の川村卓准教授。「ひと言で言ってしまうと、(スイングについて)後ろの大きさがなくなってコンパクトにバットが出るようになっている。だいぶまた進化しているんじゃないと思います。しっかりと股関節に体重を乗せることができるようになっています。その結果、腕が後ろにいかずとも力を損なわずスイングが速くできています」と分析した。
さらに「ピッチャーからすると攻めるところがなくなってきています。インコースもうまく打っているし、外側も逆方向に打ってしまう。相手も考えて来ていろんな攻め方をしてくると思うんですけど、それに対応できるだけの知識、経験が備わっていると思うんで、一昨年の失速したような感じにはならないじゃないかと思います」と、やはり広角に打ち分け弱点を克服しているとの見方を示した。
この3人の識者に大谷翔平、ホームラン王の可能性を訊ねると、グビサ氏が95%、フレッチャー記者は80%、川村准教授は90%と回答を寄せた。
これには番組の解説者、東京ヤクルト・スワローズなどで活躍した五十嵐亮太が「ちょっと数字が高すぎる」とクレーム。そして自身の予想として、大谷のホームラン王は「100%」とフリップを掲示、笑いを誘った。
果たして大谷は、日本選手初のホームラン王となるのか。7月いっぱいの成績がそれを占うカギとなりそうだ。
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文●SPREAD編集部