【WRC】第6戦ラリー・イタリア サルディニア トヨタは今季5勝目目指す、焦点はロバンペラ vs. オジエか | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【WRC】第6戦ラリー・イタリア サルディニア トヨタは今季5勝目目指す、焦点はロバンペラ vs. オジエか

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【WRC】第6戦ラリー・イタリア サルディニア トヨタは今季5勝目目指す、焦点はロバンペラ vs. オジエか
  • 【WRC】第6戦ラリー・イタリア サルディニア トヨタは今季5勝目目指す、焦点はロバンペラ vs. オジエか

2023年FIA世界ラリー選手権WRC)第6戦ラリー・イタリア サルディニアは6月1日、イタリアのサルディニア島で開幕を迎える。

今回、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR)からはカッレ・ロバンペラエルフィン・エバンスセバスチャン・オジエ勝田貴元の4台がGR YARIS Rally1 HYBRIDで参戦。トヨタ勢として今シーズン5勝目を目指す。

◆【実際の映像】土煙を上げ爆走、今季初優勝のカッレ・ロバンペラ

■ドライバーズ、マニュファクチャラーズともに首位に

今季初優勝を祝うカッレ・ロバンペラ(右)とヨンネ・ハルットゥネン (C) Toyota Gazoo Racing WRT

第3戦ラリー・メキシコでオジエが、第5戦ラリー・ポルトガルではロバンペラが優勝。TGRは今季2回行なわれたグラベル・ラリーでいずれも勝利を収め、シーズン通算4勝でマニュファクチャラー選手権首位の座を維持。また、ロバンペラはポルトガルでの今季初優勝により、ドライバー選手権で首位に立った。

選手権3位にはオジエとエバンスが同ポイントでつけている。オジエはヤリスWRCで出場した2021年大会も含め、ラリー・イタリア サルディニアでは過去4回優勝。また、今回はWRCチャレンジプログラムによる出場となる勝田は、昨年このラリーで総合6位に入った。

地中海のリゾートアイランドであるサルディニア島のグラベルステージは、WRCの中でも特に過酷なことで知られる。全体的にかなり高速で、道幅も狭く、木々や大きな岩がステージのすぐ近くに迫るため、僅かなミスも許されない。また、路面は多くの部分が砂状のグラベルに覆われているため、出走順が早いドライバーたちにとっては非常に不利なコンディションでの走行となりる。しかし、ステージ2回目の走行ではグラベルが掃けて、下から硬く、表面がザラザラとしている岩盤が露出。気温が30度を越えることも多いため、クルマとタイヤに大きなストレスがかかる。

今年のラリー・イタリア サルディニアは、サービスパークが前大会のアルゲーロから、島北東部のオルビアに移動。競技初日となる1日のデイ1は、オルビアの市街地でグラベルとターマック(舗装路)の両路面を走行する「ミックスサーフェス」のスーパーSSが1本行われる。本格的な戦いは、翌日2日のデイ2から。ビッグジャンプで有名なモンテ・レルノのステージを含む3本のステージを各2回走行。モンテ・レルノは今回、例年の2倍以上となる49.9kmの超ロングステージとして行われ、今シーズンここまでの最長ステージとなる。

3日のデイ3は、4本のステージを各2回走行し、その合計距離は135.46kmと、デイ2の138.04kmに匹敵する長さ。 最終日となる4日のデイ4は21年大会と同様の設定となり、2本のステージを各2回走行。そのうち、SS17の再走ステージとなるSS19「サルディニア2」は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。ステージは全19本で合計距離は322.75km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1170.06kmを予定。

好調を維持するトヨタ勢としては、前戦で今季初優勝をかざったロバンペラに加え、スポット参戦ながら表彰台の頂点を狙うオジエの争いが予想される。

ラリー・イタリア サルディニア 提供:TGR/WRC

■「最高の成果を得る」とロバンペラ

ロバンペラは「自分たちにとってポルトガルは素晴らしい週末となり、再び勝利を手にすることができて嬉しかったです。次のサルディニアもこの調子で行きたいとは思っていますが、より困難な戦いになることは分かっています。自分にとってサルディニアは、これまでのところシリーズ中最もトリッキーなラリーです。もし、いつものように天気が良く路面コンディションがドライで温度も高かったら、出走順1番手で走行するのは非常に大変でしょう。特に、今年は金曜日に約50kmのステージを走るので、なおさらです。厳しい週末になると思いますが、いつものように、最高の結果を得るためチームと一緒に頑張ります」と必勝を期した。

また王者戴冠8度を誇るオジエは「サルディニアは学びが楽しいラリーです。最初に出た頃はかなり苦戦しましたが、何年か経つうちにだんだんとマスターできるようになっていきました。最近では、出走順が1番だったにも関わらず優勝することができた、2021年大会が特に記憶に残っています。通常、1番手スタートで優勝することは不可能なラリーだからです。ポルトガルを欠場したことで、今回は出走順が少し良くなりますが、それでも難しい挑戦になることは間違いないでしょう。特に、ラリーの主催者が今年の大会のために準備した約50kmのロングステージは難所ですが、私自身はこのようなチャレンジは好きです。なぜならラリーにスパイスを加え、タイヤマネージメントの必要性を高めてくれるからです。間違いなく、面白いラリーになると思います」と意気込みを語った。

文字通りマシンを飛ばし開幕戦を優勝で飾ったセバスチャン・オジエ (C) Jaanus Ree / Red Bull Content Pool

オジエと同ポイントで3位にならぶエバンス は「ポルトガルは残念な週末になってしまいましたが、今はそのことを忘れ、サルディニアでどのような戦いができるのかを考えなくてはなりません。前回のラリーよりも出走順は有利になるはずですが、サルディニアは難しいイベントですし、今年のラリーの中でも路面が特に荒れていることは分かっています。間違いなく賢明なアプローチで臨む必要がありますが、それでも楽しみです。サルディニアでは毎年ステージが変わり、ルートの多くは以前から知られているものですが、中には何年も使われていなかった場所もあるので、レッキではペースノートを新たに多く書くことになるでしょう。そしてもちろん、金曜日の非常に長いステージが非常に重要になると思います」と前戦リタイヤの雪辱を誓う。

TGRチーム代表のヤリ-マティ・ラトバラ は「サルディニア島でどのようなパフォーマンスを発揮できるのか、とても楽しみです。昨年のこのイベントでは少し苦戦しましたが、それ以降、荒れたコンディションのグラベルラリーを戦うためにGR YARIS Rally1 HYBRIDに多くの改良を加えてきましたし、メキシコやポルトガルではその効果が発揮されました。例年、サルディニアはポルトガルよりも暑くなりますが、今年は金曜日のモンテ・レルノのステージが50km近くもあり、これほど長いステージは2014年以来です。そのため、特に再走ステージではタイヤのマネージメントが重要になるでしょう。カッレは今回出走順が1番手となるため、非常に不利な条件での走行になる可能性がありますが、セバスチャンとエルフィンは出走順が良いので、彼らが優勝争いに加わることを期待しています。また、ポルトガルでいいパフォーマンスを発揮した貴元の戦いも、非常に楽しみです」と勝田にも期待を寄せた。

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文●SPREAD編集部

《SPREAD》
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