【WRC】第5戦ラリー・ポルトガル 昨季王者トヨタのカッレ・ロバンペラが今季初優勝、ランク首位に | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【WRC】第5戦ラリー・ポルトガル 昨季王者トヨタのカッレ・ロバンペラが今季初優勝、ランク首位に

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【WRC】第5戦ラリー・ポルトガル 昨季王者トヨタのカッレ・ロバンペラが今季初優勝、ランク首位に
  • 【WRC】第5戦ラリー・ポルトガル 昨季王者トヨタのカッレ・ロバンペラが今季初優勝、ランク首位に

2023年FIA世界ラリー選手権WRC)第5戦ラリー・ポルトガルは14日、競技最終日デイ3が行われ、首位スタートTOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR)のカッレ・ロバンペラが54.7秒で今季初優勝を飾った。2位と3位にはヒョンデのダニ・ソルド、ティエリー・ヌービル。

◆【実際の映像】土煙を上げ爆走、今季初優勝のカッレ・ロバンペラ

■ドライバーズ、マニュファクチャラーズともに首位に

ラリー・ポルトガルの競技3日目は、ポルトガル北部のポルト近郊マトジニョスのサービスパークを起点に4本合計55.42キロのステージが行われた。最終日も天気に恵まれ、路面コンディションはドライ。もうもうと土煙が立ちこめるグラベル(未舗装路)ステージで、最後の熱い戦いが繰り広げられた。

ジャンピングフィニッシュを決めるロバンペラ (C) Toyota Gazoo Racing WRT

デイ2で総合2位のダニ・ソルドに対し57.5秒という大きなリードを築いたロバンペラは、デイ3の2本目「ファフェ1」でまずベストタイムを記録。その再走ステージで、ボーナスの選手権ポイントがかかる最終のパワーステージ「ファフェ2」でも、2番手タイムのオィット・タナックに0.7秒差をつけてベストタイムを記録。昨年大会に続き、総合優勝とパワーステージ優勝という、完璧なかたちでラリーを締めくくった。この結果、ロバンペラはドライバーズ・ランキングで首位に踊り出、17ポイントのリードを築くかたちとなった。なお、チームは今回の優勝により、ラリー・ポルトガルにおける連勝記録を4に伸ばした。

同じくトヨタの勝田貴元は前日のデイ2に続き、不利な走行順1番手でステージを走行。それでも、オープニングのSS16で今大会初となるベストタイムを記録し、続くSS17で4番手タイム、そしてSS18で3番手タイムを刻むなど着実な走りを見せた。そして迎えた最終のパワーステージでは、4番手タイムを記録。ボーナスの2ポイントを獲得し、チームはロバンペラが獲得したポイントと合わせ、マニュファクチャラーズ・ランキング首位の座を守った。

シーズン第5戦にて待望の今季初優勝を飾ったロバンペラは「この勝利を長い間待ち望んでいました。困難な週末もありましたが、クリーンにラリーウィークを戦い、いい走りができた時は勝負できるとずっと思っていました。ここポルトガルで再び優勝し、トップに返り咲くことができて本当に嬉しいです。攻めの姿勢を貫いてきたヨンネとチーム全員に感謝します。今週末はクルマのフィーリングが良く、ハードにプッシュすることができました。次のラリーでは出走順がトップになってしまう可能性が高いと分かっていたので、パワーステージではできるだけ多くのポイントを獲得したいと考えていました。完璧なステージではありませんでしたが、内容的には十分だったので満足しています。次のサルディニアはさらに大変になると思いますが、この調子を維持して頑張ります」と喜びを表現した。

総合33位ながら見事ポイントを獲得した勝田貴元の走り (C) Toyota Gazoo Racing WRT

デイ1のメカニカルトラブルにより結果33位に終わった勝田貴元は「金曜日に問題が起きた後は、とても難しい週末になりました。今回のラリーには大きな期待を寄せていたので、本当に落胆しましたが、このようなこともたまに起こるものです。その後は将来に向けてより多くの経験を積み、何かを学ぼうと試みました。出走順一番手でステージを走るのは決して簡単ではありませんでしたが、クルマのフィーリングは素晴らしく、チームとエンジニアは本当にいい仕事をしてくれたと思います。パワーステージでは、先に走ったクルマの轍(わだち)が狭かったので、ある程度自分でラインを刻みながら走らなくてはなりませんでしたが、それでもタイムは悪くありませんでした。ラリーを走りきり、チームのためにポイントを獲得できて良かったです。チームのサポートに心から感謝し、カッレとヨンネの勝利を祝福したいと思います」と前を向いた。

TGRチーム代表のヤリ-マティ・ラトバラは「ポルトガルで優勝することができて、本当に幸せな気分です。金曜日は2台のクルマを失い、1台でしか戦えなかったので、かなり厳しい状況でした。しかし、カッレは素晴らしいドライビングを見せ、最終的にはパワーステージも制し、圧巻の勝利を収めました。ここしばらく勝てていなかったとはいえ、カッレのパフォーマンスは一貫して高いレベルにありました。ただ、パズルの小さなピースが欠けていて、それがここで見つかったのです。クルマへの自信、モチベーション、勝利への渇望という要素がすべて上手く噛み合った時、誰も彼を止めることができませんでした。また、金曜日のトラブルによって、本来のポテンシャルをすべて発揮することができなかったにも関わらず、最後まで走りきった貴元にも感謝したいです。最終日の今日、彼はパワーステージで素晴らしい走りを見せ、マニュファクチャラー選手権に関しても追加でポイントを獲得してくれました」とロバンペラ初優勝に安堵した模様だ。

ポルトガル・ラリーSS図-1 提供:WRC/TGR

WRC次戦は、6月1日から4日にかけてイタリアのサルディニア島で開催される、第6戦「ラリー・イタリア サルディニア」。今シーズン3戦目のグラベルイベントとなるラリーのステージは、全体的にハイスピードで道幅は狭く、路肩に木々や岩が迫るため小さなミスも許されない。また、路面の多くは目の細い砂状のグラベルに覆われ、何台かラリーカーが走行すると下から硬い岩盤や石が現れ、深い轍(わだち)も刻まれるなど、コンディションが大きく変化するのが特長。この時期は例年気温が高くなることが多く、ドライバー、クルマ、そしてタイヤにも厳しいラリーとなりそうだ。

ポルトガル・ラリーSS図-2 提供:WRC/TGR

■ラリー・ポルトガルの結果

1 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) 3h35m11.7s2 ダニ・ソルド/カンディド・カレーラ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +54.7s3 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +1m20.3s4 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (フォード PUMA Rally1 HYBRID) +2m04.1s5 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +8m22.5s6 ガス・グリーンスミス/ヨナス・アンダーソン (シュコダ Fabia RS Rally2) +9m43.4s7 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (シュコダ Fabia RS Rally2) +9m44.6s8 アンドレアス・ミケルセン/トシュテン・エリクソン (シュコダ Fabia RS Rally2)+10m26.4s9 ヨアン・ロッセル/アルノー・デュナン (シトロエン C3 Rally2) +11m33.2s10 テーム・スニネン/ミッコ・マルックラ (ヒョンデ i20 N Rally2) +12m16.3s

33 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +1h01m54.8s

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文●SPREAD編集部

《SPREAD》
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