【WRC】第5戦ラリー・ポルトガル初日 昨季王者トヨタのカッレ・ロバンペラが首位奪取  | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【WRC】第5戦ラリー・ポルトガル初日 昨季王者トヨタのカッレ・ロバンペラが首位奪取 

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【WRC】第5戦ラリー・ポルトガル初日 昨季王者トヨタのカッレ・ロバンペラが首位奪取 
  • 【WRC】第5戦ラリー・ポルトガル初日 昨季王者トヨタのカッレ・ロバンペラが首位奪取 

2023年FIA世界ラリー選手権WRC)第5戦ラリー・ポルトガルは11日、ポルトガルの古都コインブラでのセレモニアルスタートにより開幕。12日、コインブラ周辺の山岳地帯で競技初日デイ1が行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラが首位に立った。

◆第5戦ラリー・ポルトガルは今季の行く末を占うグラベル初戦、トヨタ勢は4連勝なるか 11日開幕

■2位、3位にヒョンデ勢

2位にヒョンデのダニ・ソルドが10秒8で入り、3位には同じくヒョンデのティエリー・ヌービルがつけた。

今季ヨーロッパ大陸で行われる最初のグラベル(未舗装路)イベントとなるラリー・ポルトガルは、11日の夜に古都コインブラでのセレモニアルスタートで開幕。12日の朝からコインブラ周辺の山岳地帯で競技がスタート。デイ1の主舞台は、コインブラの東側に位置するアルガニル地域。3本の山岳ステージを各2回走行し、その後2本のステージを走った後、マトジニョスの最終サービスパークを目指すという長い一日。8本のステージの合計距離は121.25km。デイ1は早朝のサービスも、昼間のミッドデイサービスも設定されず、アルガニルに設けられた「タイヤフィッティングゾーン」での簡便な整備作業およびタイヤ交換だけで一日を走りきる。ドライバー達にとってはミスの許されない困難な競技初日となった。

デイ1は朝から好天に恵まれ、気温は日中25度前後まで上昇。ステージはドライコンディションでの戦いとなったため、前戦クロアチア・ラリーでの優勝によりドライバー選手権首位に立ち、出走順1番手を担うことになったエバンス、そして選手権2位で出走順2番手のロバンペラにとっては困難な一日となった。それでもロバンペラはSS1、2で4番手タイムと健闘。SS3ではベストタイムを記録し、総合2位に順位を上げた。さらに、ロバンペラは午後のSS5でもベストタイムを刻み、ついに首位浮上。SS6で3本目のベストタイムをマークしたロバンペラは、デイ1最終のSS8まで首位を守り続け、総合2位のダニ・ソルドに10.8秒差を築いて一日を終えた。

久々の首位に自信を覗かせる昨季王者カッレ・ロバンペラ (C) Toyota Gazoo Racing WRT

今季初めて首位に立った昨季王者ロバンペラは「本当にいい一日でした。午前中はパーフェクトではなかったですが、ハイスピードな道でハンドリングの精度を高めようと自分たちでクルマに調整を施したところ、フィーリングがとても良くなり、午後は思うように走れました。ステージは予想以上に荒れていたと思います。ラリーが始まるまでの間に、路面は明らかに乾ききっていたので、多くの石が転がっていたり、荒れているところも多くありました。しかし、自分たちはそれにうまく対応し、クレバーなドライビングをすることができたと思います。出走順2番手からスタートしてトップに立ち、優勝争いに加わっているというのは素晴らしいことです。明日は出走順がさらに良くなるはずなので、この調子が続くことを期待しています」と自信を取り戻した様子だ。

■エバンス、勝田はリタイア

一方、2021年にこのラリーで優勝しているエバンスは、出走順一番手という誰よりも不利な条件でステージを切り開くことになり、苦しい戦いを強いられた。それでも午前中のSS3では3番手タイムを記録するなど奮闘し、その時点で首位と18秒差の総合5位につけていた。ところが、エバンスは午後のSS7でコースオフ。エバンスにもマーティンにも怪我はないもののデイリタイアに。

TGR-WRTからのワークス出場は第2戦ラリー・スウェーデン以来2回目となる勝田貴元は、SS1で5番手タイム、SS2で3番手タイムを記録するなど好スタートを切り、ロバンペラと同タイムで総合4位に並んだ。しかし、続くSS3へと向かう途中でオルタネータに問題が発生し走行不可能に。勝田は残念ながらデイリタイアを選択。デイ2で再び競技に復活する模様。

メカニカルトラブルでリタイアに終わった勝田貴元 (C) Toyota Gazoo Racing WRT

勝田は「今朝はクルマのフィーリングが良く、ドライビングを楽しむことができていました。SS1の最後から問題が起きていて、それに対処しなくてはなりませんでしたが、クルマのセットアップとバランスにはとても満足してましたし、全くプッシュしていなかったにも関わらずいいタイムが出ていました。できる限りそのまま行きたかったのですが、3本目のステージに向かう途中で全てがシャットダウンしてしまい、再スタートすることもできず、そこで一日を終えることになりました。とても残念ですが、残り2日間、この素晴らしいステージを走るチャンスはまだあります。明日、出走順トップで走るのは大変ですが、楽しみながら、将来のために何かを学びたいと思います」と振り返った。

TGRのチーム代表ヤリ-マティ・ラトバラは「我々にとっては非常に複雑な心境の一日でしたが、カッレが示してくれたパフォーマンスはとてもポジティブなものでした。彼の勝利へのモチベーションが非常に高いことが伝わってきました。午前中はクルマに満足しきれていなかったようですが、セットアップを微調整することで自信を持ち、その後は最後まで快調でした。エルフィンについては、今日は出走順トップということで、厳しい戦いになることは分かっていました。それでも午前中はいい位置につけていたのですが、午後になって路面が荒れたり轍ができたりするなどコンディションが悪化し、残念ながら最後から2番目のステージで大きなアクシデントに見舞われてしまいました。しかし、何よりも重要なのは彼とスコットが無事だったということです。また、貴元は素晴らしいスタートをきっていただけに、午前中で止まってしまったことも残念でなりません。それでも、ポジティブに考えて明日に備えたいと思います。明日のステージはそれほど荒れてはいないと思いますが、タイヤをうまくマネージして走らなくてはなりません」と首位とリタイヤの結果に複雑な心境を吐露した。

ポルトガル・ラリーSS図-1 提供:WRC/TGR

競技2日目となる13日デイ2は、ポルト北東に広がるカブレイラ山脈を中心に、3本のステージを日中のサービスを挟んで各2回走行。そのうち、SS10/13「アマランテ」は、昨年に続き大会最長となる全長37.24kmのロングステージ。そして、一日の最後にはロウサダのラリークロス・サーキットで名物のスーパーSSが行われる。7本のステージの合計距離は今大会最長の148.68km、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は667.88km。

ポルトガル・ラリーSS図-2 提供:WRC/TGR

■ラリー・ポルトガル デイ1の結果

1 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) 1h22m27.7s2 ダニ・ソルド/カンディド・カレーラ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +10.8s3 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +26.0s4 ピエール=ルイ・ルーベ/ニコラ・ジルソー (フォード PUMA Rally1 HYBRID) +26.9s5 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +27.3s6 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (フォード PUMA Rally1 HYBRID) +1m04.7s7 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (シュコダ Fabia RS Rally2) +3m48.2s8 ガス・グリーンスミス/ヨナス・アンダーソン (シュコダ Fabia RS Rally2) +4m38.4s9 ヨアン・ロッセル/アルノー・デュナン (シトロエン C3 Rally2) +4m48.4s10 アンドレアス・ミケルセン/トシュテン・エリクソン (シュコダ Fabia RS Rally2) +5m29.3sTBC エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID)TBC 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID)

◆【実際の映像】首位を快走するカッレ・ロバンペラ、インボードカメラ

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文●SPREAD編集部

《SPREAD》
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