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ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平が7日(日本時間8日)、本拠地でのテキサス・レンジャーズ戦に「3番DH」で先発出場し、3打数2安打1打点、2四球だった。3試合ぶりの安打をマークし、今季初めて1試合4出塁も記録したが、チームは8-16で大敗。首位攻防戦は2日続けて、大荒れの試合となってしまった。
◆大谷翔平、4試合ぶりマルチ3打数2安打2四球1打点で打率.295もエ軍投手陣は16失点大炎上大敗
■先発スアレス緊急降板
前日の同カードを1-10で落としたエンゼルス。この日は1回、大谷の内野安打などでチャンスを広げると、4番アンソニー・レンドンに3ランが飛び出し先制に成功した。これで勢いに乗るかと思われたが、エンゼルスは先発左腕ホセ・スアレスが大誤算。2回に3失点すると3回にも4失点。スアレスはここで左肩に違和感を訴え、緊急降板。結局、2回2/3を投げ6安打7失点、防御率は9.62となった。
あっという間に逆転されたエンゼルスは、その後も救援投手が炎上。レンジャーズの打線を食い止めることができず、終わってみれば17安打を浴びて16失点という投壊ぶり。前日の1-10に続き8-16で大敗し、大事な首位攻防3連戦を負け越した。
大谷は1回の内野安打に続き、第2打席は四球を選んで出塁。4回2死一、三塁で迎えた第3打席は中前へ弾き返して4試合ぶりに適時打をマーク。その後の4、5打席目はそれぞれ四球、遊直だった。この試合前まで12打席連続無安打だったが、マルチ安打を記録し、復調の兆しを見せた。
■離脱相次ぐエ軍投手陣
フィル・ネビン監督は試合後、3回持たずに降板したスアレスについて「左肩に違和感を訴えており、精密検査を受ける」と明言。スアレス自身は「痛みに耐え投げ続けることができると思った」と振り返ったが、現地8日にもMRI検査を受けることになりそうだ。
ケガの程度は判明していないが、もし離脱となった場合、エンゼルスの台所事情は一層苦しくなる。すでにホセ・キハダ、オースティン・ウォーレンの2人は近日中にトミー・ジョン手術を受けることが決まっており、今シーズンの復帰は絶望的。さらに救援左腕のアーロン・ループも右太もも裏の痛みで負傷者リスト(IL)入りしている。
指揮官は「先発ローテーションに深刻な問題がある。これからどう対処していくか、まだ分からない。チームと話し合って決めたい」とコメントし、質量とも不足気味の投手陣に頭を悩ませていた。
チームは今季、「投手・大谷」を中5日で回す方針で臨んでいる。7日(日本時間8日)には菊池雄星(トロント・ブルージェイズ)が中4日で先発登板したが、大谷は二刀流という負担を考えれば、同様の措置を取ることは不可能。チェース・シルセス、タッカー・デビッドソン、ハイメ・バリアら先発経験のあるブルペン陣から先発に回し、ローテーションを堅持することが有力視されている。
8日からは昨季王者ヒューストン・アストロズとの3連戦が待っている。エンゼルスは昨季も好調な滑り出しを見せたものの5月に失速。今季もケガ人が増えるなか、どう乗り越えるのか。早くも正念場となりそうな気配だ。
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文●SPREAD編集部