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4日、船橋競馬場にてダートマイル王決定戦、かしわ記念(JpnI、ダ1600m)が行われる。今年は帝王賞馬メイショウハリオや、JBCレディスクラシック覇者ヴァレーデラルナ、そのほか、シャマル、ハヤブサナンデクン、ソリストサンダーといった中央勢に対し、浦和の最強牝馬スピーディキックや昨年のNAR年度代表馬イグナイターなど、地方勢も強力なメンバーが集結した。
ここでは有力馬、穴馬などを紐解いていきたい。
◆【かしわ記念2023予想/馬連5点勝負の買い目・結論】懸念が多い「人気馬」は“押さえ”程度
■浦和の最強牝馬が、中央GIの経験を活かす
過去10年の単勝平均配当は720円、馬連平均配当は2,690円と、交流GIとしては、やや波乱含みの結果が多いかしわ記念。1番人気の成績は【0.2.4.4】と信頼度はいまひとつで、5番人気以下の馬が8年連続で馬券に絡んでいるように、穴党向きの一戦でもある。
過去10年で9勝、18連対と、中央勢が圧倒的に優勢の傾向にあるが、今年はGI馬が2頭いるものの、やや小粒なメンバー構成。この相手なら、地方勢にも十分チャンスがありそうだ。
そんな中、中心に据えたいのが、浦和のスピーディキック。昨年は南関東牝馬三冠こそ達成できなかったものの、これまでにエーデルワイス賞を含め、重賞8勝をマーク。
前走は果敢にフェブラリーSへ挑戦し、前半はやや流れに乗れず後方から進めたが、直線では進路が狭くなるシーンもありながら、しぶとく脚を伸ばして6着でフィニッシュ。交流重賞常連のヘリオスや、ソリストサンダーに先着を果たし、メイショウハリオやドライスタウトとも差のない時計で走っており、中央の一線級と互角の力を秘めていることを証明して見せた。
GIのペースを経験したことで、走り慣れた地方の馬場に戻れば、本来の形でレースができるはず。フェブラリーSを除けば、マイル戦は3戦3勝と得意舞台で、浦和の女傑にビッグタイトル獲得を期待したい。
■中央勢は人気実績馬よりも伏兵陣に妙味
中央勢でまず注目したいのは、2年連続2着のソリストサンダー。一昨年は向正面で不利がありながらハナ差の2着、昨年はショウナンナデシコにマイペースの逃げ切りを許し、惜しくもGIタイトルを逃してきたが、武蔵野Sを制しているように、左回りのマイル戦はベスト条件。8歳を迎えても衰えは見られず、3度目の正直となるか注目したい。
タガノビューティーは前走のコーラルSで約2年ぶりの勝ち星を挙げた。後方からレースを進める脚質で、展開に左右される面は否めず勝ち味に遅いが、2走前から着用したブリンカーの効果か、以前よりも切れ味は増している印象だ。今回は伏兵の立場となりそうだが、8枠13番に入った点は、内で包まれるよりはむしろ好材料。外めをスムーズな追走で末脚全開なら、上位を飲み込む力は持ち合わせている。
展開利がありそうなのはハヤブサナンデクンか。東海S3着から臨んだ前走のマーチSで、待望の重賞初制覇。7歳を迎えたが、ここにきてようやく本格化を果たした印象で、前々で競馬ができる点は、小回り船橋では有利に働きそう。先行力を活かして、早め早めの展開に持ち込めば、しぶとさを発揮するだろう。
■懸念材料多い人気馬は押さえ程度で
浦和のスピーディキックを中心に、ソリストサンダー、タガノビューティー、ハヤブサナンデクンといった、中央勢では伏兵的な存在の馬たちを中心に馬連で勝負していきたい。
シャマルは、1400m以下の重賞4勝の実力馬。だが、昨年のマイルCS南部杯で3着に食い込んだものの、やや短距離指向の印象だ。交流重賞制覇時はすべて重~不良馬場で、道悪なら買いたいところだが、今回は天候も良く、良馬場で行われる見込み。交流重賞で絶好調の川田将雅騎手鞍上で人気を集めそうだが、そこまでの信頼感はないと見る。
メイショウハリオの前走フェブラリーSは、強烈な決め手を発揮して3着。スタートの出遅れがなければ、と思わせるレースぶりだったが、ムラ駆けの印象がある同馬らしい結果だったとも言える。広いコース向きで、小回り船橋がどう出るかだが、いつ走るか分からないタイプだけに、本命にはしづらいが、ヒモには加えておきたい。
昨秋のJBCレディスクラシックを制したヴァレーデラルナは、今年に入っても2戦、安定した走りを見せているものの、重賞で牡馬とは初対戦。マイル戦もやや短い印象で、乗り慣れた岩田望来から乗り替わる点も懸念材料だ。兵庫イグナイターも交流重賞2勝で中央勢に引けを取らない力は持っているが、こちらも乗り慣れた田中学からテン乗りの笹川翼にスイッチ。この判断が吉となるか微妙で、ともに思い切って消しでいきたい。
◎(3)スピーディキック◯(5)ソリストサンダー▲(13)タガノビューティー△(7)ハヤブサナンデクン△(4)シャマル△(2)メイショウハリオ
馬連流し(5点)軸:3相手:5、13、7、4、2
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著者プロフィール
石川豊●いしかわゆたか20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。