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8日(日本時間9日)、マイアミ・マーリンズ戦で本拠地デビューを果たしたニューヨーク・メッツの千賀滉大。6回3安打1失点、6奪三振と好投し、チームの勝利(5-2)に貢献した。千賀は開幕から2連勝となり、地元ファンのハートをがっちりつかんでいる。
◆千賀滉大、1失点6奪三振の本拠地デビューで連勝 「ニューヨークは度肝を抜かれた」と公式も絶賛
■奪三振ごとにゴースト映像が登場
球場はすっかり“お化け祭り”だった。千賀が三振を奪うたびに、大型スクリーンに映し出されたのは「フォークを持ったゴースト」のアニメーション。代名詞である「お化けフォーク」にリンクさせた球団の演出に場内は沸いた。観客席でもファンが三振ごとにゴーストのイラスト入り「K」ボードを並べていったほか、千賀が5回のマウンドを降りる際には、人気映画『ゴースト・バスターズ』のテーマ曲も流れた。
あちらこちらに出現した“幽霊”。エンターティンメント性にも優れ、大盛り上がりとなった球場について、千賀は「最初はびっくりしたけど、名前とイメージが結び付くことはなかなかないと思うので、選手としてうれしい」と喜んだ。
千賀とファンの関係性を目の当たりにした地元紙『ニューヨーク・ポスト』は、「ニューヨークは彼を抱きしめ、千賀も抱きしめ返した」「千賀はニューヨークの舞台のために生まれてきたようだ」と記し、“相思相愛”ぶりを伝えた。
■フォーク減らして組み立て変更
期待された投球も上出来で、6回3安打1失点、6奪三振という好内容。前回登板では全体88球のうちストレートを36%、フォークボールを30%とほぼ均等に投げたが、今回は90球のうちストレートの割合を45%に増やし、フォークの割合を18%に減らすなど組み立てを変更。バック・ショーウォルター監督も「ボール先行の場面ではカッターでストライクが取れた」と話すなど、フォークに頼らない多彩な投球パターンを称賛した。
千賀自身も「何回か対戦すれば相手はフォークを振らないようになってくる。(そのほかの球種は)良いアクセントになっていた」と振り返り、手ごたえを感じていた。
チームメートも千賀の本拠地デビューを祝福。主砲のピート・アロンソは「(大型スクリーンのゴースト映像を見て)あれはいいね。彼はとてもユニークな武器を持っているし、あの演出に値するよ」とコメント。さらに「彼の英語は日に日に上達し、米国のライフスタイルや文化だけでなく、このチームのすべての人を受け入れている」とし、コミュニケーション能力についても太鼓判を押していた。
この日セーブを挙げたデビッド・ロバートソンは「あんな球は投げられない。まるで速球のように見えるんだ。おかしな回転をしている。打者はそれを見てスイングしたくなり、でも最後の瞬間に消える」と話し、決め球“お化けフォーク”を分析した。
ニューヨークに受け入れられた千賀。「今度はもっとお化けを出したい」と話し、奪三振で盛り上げることを誓っていた。
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◆千賀滉大、「お化けフォークにひざまずけ」 6回途中8奪三振1失点で圧巻メジャー初勝利デビュー
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文●SPREAD編集部