【MLB】8奪三振すべて“お化けフォーク”で仕留めた千賀滉大 敵将も「見極められなかった」と脱帽 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【MLB】8奪三振すべて“お化けフォーク”で仕留めた千賀滉大 敵将も「見極められなかった」と脱帽

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【MLB】8奪三振すべて“お化けフォーク”で仕留めた千賀滉大 敵将も「見極められなかった」と脱帽
  • 【MLB】8奪三振すべて“お化けフォーク”で仕留めた千賀滉大 敵将も「見極められなかった」と脱帽

ニューヨーク・メッツ千賀滉大が敵地でのマイアミ・マーリンズ戦に先発登板した。試合はメッツが5-1で快勝。メジャーデビューとなった千賀は5回1/3を3安打1失点、3四球8奪三振という好投を見せ、初登板を白星で飾った。

デビュー戦勝利は日本人投手では2018年のロサンゼルス・エンゼルス大谷翔平以来で、米メディアによるとデビュー戦での8奪三振はメッツ史上3位タイの記録だという。

◆【実際の映像】初先発の千賀滉大、「お化けフォークにひざまずけ」デビュー戦で8奪三振

■グラブにはお化けとフォークの刺繍

ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で侍ジャパンが頂点に立った舞台、ローンデポパークで千賀も躍動した。手にした青いグラブには、幽霊がフォークを持った刺繍が縫い付けられ、代名詞である“お化けフォーク”を印象付けての初陣だった。

しかし、立ち上がりは最悪。2点の援護をもらった直後の初回、先頭の昨季首位打者ルイス・アラエスにフォークボールを中前打されると、続くホルヘ・ソレアには157キロの直球を右翼線に運ばれ、打者2人11球であっさり1点を失った。

その後も制球が定まらず、連続四球を与えて無死満塁。ただ、「ピンチを迎えてから逆に冷静になった」と本人が振り返ったように、5番の元DeNAユリエスキ・グリエルと6番ヘスス・サンチェスをいずれもフォークで空振り三振に仕留めると、最後は7番ジョン・バーティを右飛に打ち取り、最少失点で切り抜けた。

2回以降は立ち直り、許した走者は四球と安打の2人だけ。二塁すら踏ませぬ好投を披露し、88球となったところで2番手と交代した。1回こそ乱れたものの、終わってみれば5回1/3を3安打1失点、3四球8奪三振という好内容で、デビュー戦を白星で飾った。

最速は99マイル(約159キロ)をマークし、さらに奪った8個の三振はすべて“お化けフォーク”で仕留めた。8奪三振は、メッツの投手がメジャーデビューした際の記録としては3位タイとなった(マット・ハービーが11個でトップ、コリン・マクヒューが9個で2位)。

■「足がゴーストだった」緊張感を語る

千賀は試合後、米放送局『SNY』などのインタビューに応じ、「初回は気持ちがアップアップするようなマウンドだった。足がゴーストのようだったので、2回以降というか、初回のピンチを迎えてからは自分のやるべきことを、と思った」と回顧。緊張で足元が不安定になった様子を代名詞である“お化け(ゴースト)フォーク”に絡ませて表現し、報道陣の笑いを誘った。

敵将スキップ・シューメーカーは、千賀のフォークについて「捉えるのは難しかった。(打者の)手元で遅れて変化するので、打者たちは見極められなかった」と脱帽。マーリンズの遊撃手ジョーイ・ウェンドルも「彼に感銘を受けたのは多くの球種があり、投球パターンが読みにくいこと。スプリッターは誘うこともできるし、ストライクゾーンに投げて空振りを奪うこともできる」と感想を漏らし、ストレート32球、フォーク26球、スイーパー18球、カッター12球と多彩なボールを操った右腕を称賛した。

メッツのバック・ショーウォルター監督は「世界最高のバッターが何人かいるが、千賀はよく対応した。彼は、我々が彼の獲得に動いた理由のいくつかを示したと思う」と満足感を漂わせた。

噂のゴースト・フォークをお披露目し、強打者をきりきり舞いさせた千賀。メジャーを席巻する可能性が出てきた。

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文●SPREAD編集部

《SPREAD》
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