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ボストン・レッドソックスの吉田正尚が28日(日本時間29日)、アトランタ・ブレーブスとのオープン戦に「4番・左翼」で先発出場。初回の第1打席でオープン戦第1号となる2ランを放つなど、1打数1安打1本塁打1四球だった。オープン戦をいい形で締めくくった吉田は30日(同31日)、ホームでボルチモア・オリオールズとの開幕戦を迎える。試合の様子を米複数メディアが伝えている。
◆【実際の映像】420フィートのフェンス越え、吉田正尚のオープン戦初ホームラン
■116勝右腕から134メートル弾
初回2死三塁、吉田はチャーリー・モートンの甘く入ったボールを捉え、バックスクリーン右へ運んだ。通算116勝を誇るベテラン右腕から放ったオープン戦第1号は、飛距離440フィート(約134メートル)を計測、最深部に到達するアーチだった。
開幕前最後の実戦で飛び出した豪快弾に「速い球を1発で仕留められたのは良かった」と話した吉田。アレックス・コーラ監督も「モートンは球種も豊富でタフな投手の1人だが、彼は速球を捉えた」と話し、速いボールに対応した点を評価した。
これまで日本からメジャーに移籍した野手がもっとも苦しんだのが、メジャーの投手が繰り出す速球。100マイル(約160キロ)近いボールを日常的に投げ込まれ、これを気にするあまり、打撃フォームを崩して不調に陥る選手もいた。そのため、2人がこの日の1発に安堵したのもうなずける。
■まだ分からない「メジャーでの運命」
米メディア『NBC Sports』も「米国へ来た日本人打者が直面する第一の課題は速球、特にインサイドの速球をどう扱うかである」とした上で、「吉田のメジャーでの運命についても、まだ答えは出ていない」と記し、速球への対応がカギを握ると指摘した。
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初の4番起用でWBC初アーチを放った侍ジャパンの吉田正尚(C)Getty Images
『NBC Sports』は吉田のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で放った全9安打を分析。球速について絞ると、9安打中8本が90マイル(約145キロ)以下の、主に変化球を打ったものであり、90マイル超えは1本だけだった。そもそも90マイル超えを連発するような投手自体が、対戦チームにそれほど見当たらなかったことも一因だが、米メディアが速球への対応具合に注目していることをうかがわせる内容となっていた。
「ワールドシリーズ優勝がチーム最大の目標だと思うので、ケガなく1年間戦って完走したい」と意気込んだ吉田。160キロの速球を弾き返し、周囲の懸念を払しょくできるか、注目される。
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文●SPREAD編集部