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2013年ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の侍ジャパン・メンバーで、野球解説者の鳥谷敬は23日、都内で行われた「スカパー!プロ野球2023開幕PRイベント」に登壇。14年ぶりとなる世界一奪還について振り返りつつ、今季のプロ野球シーズンを展望した。同イベントにはスカパーの新CMに出演しているお笑いトリオ「ハナコ」の菊田竜大、秋山寛貴、岡部大も登場した。
◆2013年侍ジャパン・鳥谷敬が振り返るハイライト 「大谷選手の表情がすべての魅力」
■レギュラーシーズンに臨む選手の切り替えの難しさ語る
大谷翔平が9回表、マイク・トラウトを三振で切ってとり、優勝という最高の形で締めくくったWBCについて、鳥谷は「感動しましたよね。本当に、大谷選手から始まって、最後大谷選手が投げると思わなかったところで大谷選手が投げて、チームメートから三振をとって……。そのときのトラウト選手の顔も、打ち取られてるけど、リスペクトしているような。あの光景が忘れられない」と感嘆。
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WBC決勝9回2死で迎えたマイク・トラウトとの直接対決を制した大谷翔平(C)Getty Images
自身も2013年の第3回WBCに出場経験がある鳥谷は「自分のときは準決勝で負けて3位だったんですけど、(レギュラーシーズンは)本当にすぐ始まるので。今日帰ってきて、チームと合流していって……優勝した達成感が多分残ったままチームに入っていくと思うんです。仲間だったのが急に敵、対戦相手になってくるんで、そこらへんの駆け引きとかも、観てる人にも楽しんでもらえたらと思います」と、レギュラーシーズンに臨む選手の切り替えの難しさと、WBC後ならではの観戦の楽しみ方を紹介した。
さらに当時の経験として「(WBC後)野手はビジターで相手のチームに行ったら食事行くようになったりとかあったんですけど、ピッチャーの場合は本当にガチンコで対戦するので。WBCの時(一緒に)しゃべっていたとしても、そこはもう完全に別物。それが嫌で、ピッチャーは野手と『仲良くしたくない』と言う人もいた。対戦したときに思い切っていけないとか。感情が生まれる人は『後で違うチームになるから』としゃべらないようにしてる選手もいました」と複雑な内情も明かした。
最後に今季のプロ野球について「WBCで非常に野球界が盛り上がりましたし、その選手たちが帰ってきて、自チームで1年間戦うので、今回のWBCもそうですけど、やっぱ選手も見てもらえてるということでかなりテンションが上がりますし、やる気も出てきます。応援することで選手も力をもらって、お互いにいい関係が作れるのではと思います。ぜひ野球を見るという習慣を付けてもらえたら」とWBCをきっかけに多くの人に注目してもらえたらと期待を示した。
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文●SPREAD編集部