【WRC】第3戦ラリー・メキシコ2日目、タナック脱落でラッピが首位 トヨタ勢は依然苦戦 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【WRC】第3戦ラリー・メキシコ2日目、タナック脱落でラッピが首位 トヨタ勢は依然苦戦

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【WRC】第3戦ラリー・メキシコ2日目、タナック脱落でラッピが首位 トヨタ勢は依然苦戦
  • 【WRC】第3戦ラリー・メキシコ2日目、タナック脱落でラッピが首位 トヨタ勢は依然苦戦

2023年FIA世界ラリー選手権WRC)第3戦ラリー・メキシコは17日(日本時間18日)競技2日目を迎えメキシコ中央高原のレオンを中心に行われ、ヒョンデのエサペッカ・ラッピが1時間25分12秒でフィニッシュし首位に立った。ラリー・スウェーデンを制し、また前日トップタイムを叩き出したMスポーツ・フォードのオィット・タナックは、ターボチャージャーのトラブルを抱え14分を費やし脱落した。

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■レジェンドを従え好調を維持するラッピ

また日本から参戦しているトヨタの勝田貴元もコースオフを喫し、デイリタイヤ。TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR)では、前日2位につけていたディフェンディング・チャンピオンのカッレ・ロバンペラが5位に転落。代わってセバスチャン・オジエが2位、エルフィン・エバンスが3位に付けた。

メキシコの大地を疾走するオジエ (C) Toyota Gazoo Racing WRT

16日(同17日)夜に古都グアナファト市街地での2本のスーパーSSで始まったラリー・メキシコは、金曜日の朝から山岳地帯で本格的な戦いがスタート。距離が短い2本のスーパーSSを含む、8本合計122.14kmのステージが実施された。17日は朝から天気が良く、気温は摂氏30度前後まで上昇し、グラベルステージの路面はドライ。そのため出走順が早いドライバーたちにとっては不利な路面コンディションとなった。また、山岳ステージは全体的に標高が高く、特にSS4/7「オルテガ」は標高2700メートルを越える地点も走行するなど、今シーズンのWRCで最も高い地点を走るステージだった。

このラリーで過去に6回優勝しているオジエは、1本目のSS3で2番手タイムを、SS4のオルテガではベストタイムを記録。首位に立ったラッピと激しいトップ争いを展開。オジエは午後のオルテガの再走ステージでもベストタイムを刻むなど、一日を通して好調を保ち、ラッピと5.3秒差の総合2位でフルデイ初日を終えました。

エバンスはオープニングのSS3で総合4位に、SS4で総合3位に順位を上げ、その後も安定した走りで順位を堅持。首位とは30.1秒差、総合4位のティエリー・ヌービル(ヒョンデ)には9.7秒差をつけた。現在、ドライバー選手権2位のロバンペラは、早い出走順により路面の「ルースグラベル」を掃き飛ばしながら走行することになりタイムロス。さらに、出走順トップのクルマがトラブルでスローダウンしたため、多くのステージでルースグラベルを掃き飛ばしながら走る始末。それでも6番手前後のタイムで走り続け、総合5位でタフな一日を走破した。

今回がラリー・メキシコ初出場だった勝田は、未知なるメキシコの道を学びながら走行、SS5でスピンによりコースオフ、デイリタイアとなった。デイ3は再出走を予定している。

沿道の観衆に見守られる勝田だがデイリタイアと波に乗れない (C) Toyota Gazoo Racing WRT

首位に立ったラッピは「私のキャリアの中でベストの日だったね。もちろん、常に首位走行できるように戦ってきたものの、セブ(セバスチャン・オジエ)の前でフィニッシュできるとは思っていなかったよ。もちろん、いいペースで走る自信はあるけどね」と8度王者に輝いたレジェンドとの戦いを制した点には少し驚いているようだった。

2位につけたオジエは「いい一日でしたし、今夜の順位には満足しています。これ以上の結果を得るためには、大きなリスクを冒す必要がありましたが、それはこのラリーを戦う上で好ましいアプローチではないので、自分としては満足しています。エサペッカの今日の走りは素晴らしく、ラリーをリードしているので、我々はまだやるべきことがありますし、もう少しスピードを上げるために今晩は分析を進める必要があります。タイム差は少なく、明日のステージは特徴も路面のグリップも今日とは異なるので、どのような戦いになるのか楽しみです」と明日以降の戦いに自信をのぞかせた。

5位に沈んだロバンペラは「出走順を考えれば、今日は悪い一日ではなかったと思います。自分ができることは全てやれたと思いますし、ベストを尽くしたつもりです。早い出走順でしたがタイムロスはほぼ予想通りでした。今朝の最初の2本のステージは、路面のルースグラベルをクリーニングしながら走ったにも関わらず、予想よりもいいタイムでした。しかし、3本目のステージではハイブリッドブーストが使えなかったため、少し多くタイムを失ってしまいました。午後もまだ路面をクリーニングしながら走りましたが、上手く対処することができたと思います。明日は今日よりもいい出走順で走ることができるはずなので、朝からペースを上げていかなければなりません」と挽回を期した。

TGRのヤリ-マティ・ラトバラ代表は「全体的にはポジティブな金曜日でした。ラリー・メキシコはクルマにとっても、ドライバーにとっても常に大きなチャレンジなので、今日もリタイアやトラブルに見舞われたクルマがありましたが、このラリーではよくあることです。しかし、我々のクルマは信頼性が高く、ペースも非常に良かったです。セブはここでもう一度勝ちたいという気持ちが強く、力強いスタートを切りましたが、今日はエサペッカもとてもいい走りをしました。彼らはとても素晴らしい戦いをしたと思います。我々は総合3位にエルフィン、総合5位にカッレがつけているので明日も期待を持てますが、間違いなく誰にとっても大変な一日になるでしょう」と前を向いた。

ラリー・メキシコ・コース図 提供:WRC・TGR

競技3日目となる18日(同19日)のデイ3は、レオン近郊に広がるシエラ・デ・ロボス山脈が戦いの主舞台となり、3本のステージを午前と午後で各2回走行。各3本のステージの後には、前日にSS9として行なわれたスーパーSS「ラス・デュナス」を、SSS14とSSS18して走行する。さらに、一日の最後にはレオンの市街地で1.3kmのスーパーSSが行われる。9本のSSの合計距離は126.86km、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は288.54km。

■ラリー・メキシコ デイ2の結果

1 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) 1h25m12.0s2 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +5.3s3 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +30.1s4 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +39.8s5 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +59.7s6 ダニ・ソルド/カンディド・カレーラ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +1m27.2s7 ガス・グリーンスミス/ヨナス・アンダーソン (シュコダ Fabia RS Rally2) +3m50.1s8 アドリアン・フォルモー/アレクサンドレ・コリア (フォード フィエスタ Rally2) +3m58.6s9 エミル・リンドホルム/レータ・ハマライネン (シュコダ Fabia Rally2 evo) +4m16.5s10 カイエタン・カイエタノビッチ/マチェイ・シュチェパニャク (シュコダ Fabia Rally2 evo) +4m53.1s

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文●SPREAD編集部

《SPREAD》
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