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3月8日に開幕する野球の世界一決定戦、「2023 WORLD BASEBALL CLASSIC」(WBC/ワールドベースボールクラシック)に向け、侍ジャパンを率いる栗山英樹監督が5日、フジテレビ系列のスポーツ番組『S-PARK』に出演。2006年、09年大会に抑え投手として出場した解説者・藤川球児の質問に答えた。
◆栗山ジャパン史上最強打線は大爆発の予感 過去4大会と徹底比較<前編>
■大谷には打者として絶大な信頼
栗山監督は藤川に、ロサンゼルス・エンゼルス、大谷翔平の起用法を聞かれると「投げるのは春先は難しい」と、二刀流ながら投手としては無理をさせない方針を匂わせた。その一方で打者・大谷については「打つほうはかなり信頼感がある。かなり信頼しています」と前置きした後に「勝たせろ」と断言。
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エンゼルス・大谷翔平(C)ロイター/USA TODAY Sports
同監督は大谷のメジャー挑戦に際しても「打つほうはまったく心配していない」と繰り返し発言していた過去もある。するとさらに「(日本で)二刀流やっている時に彼にはずっと言ってきましたけど『チームが優勝するために二刀流やってるんだ』と。アメリカもドミニカもすごいメンバーなので、それをやっつけろ。『自分で打ち勝ちなさい』」と、指令を伝えたことを明らかにした。
また栗山監督は、大谷について日本ハム時代のエピソードを披露。5年目の開幕、声出しを大谷に任せたところ「遊びたい、呑みたい、色々やりたい…そんなんで優勝できるわけないですからね。勝ちたいんだったら、野球やるしかないんです」と先輩たちに向けはっぱをかけた。これには監督も「翔平らしいなぁと思った」と苦笑いを見せた。
監督は加えて、大谷を「勝つために全力をつくさない、できることをやらないことにすごく厳しい」と評し、その勝利への執念を侍ジャパンに持ち込んでくれると期待を寄せた。
■ダル、吉田正尚選出秘話
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パドレスのダルビッシュ有(C)Getty Images
番組では大谷について語る前、サンディエゴ・パドレス、ダルビッシュ有選出の理由についても「まずは、試合に勝つのはもちろん、あれだけの経験を持って、あの年齢でさらに進化し続ける…若い人たちと一緒にやってくれると考え方や練習方法を、いろんなことを伝えてくれると思った」と、ダルビッシュ選出は最優先だったとつまびらかにした。
また、今季からボストン・レッドソックスに移籍した吉田正尚の招集についても、「(選出理由は)この選手のためになるかどうか、しかない」とメジャー移籍1年目の選手は選ばない方針だったものの、吉田から「いや、何言ってるんですか、WBCも僕の夢です」と返され、ポリシーを曲げて「選ばせてもらった」と、その秘話を明かした。
栗山監督が苦悩の末に選出した、史上最強・侍ジャパン・メンバーたち、本戦でどんな戦いを見せてくれるのか、ますます楽しみだ。
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文●SPREAD編集部