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3月8日に開幕する「2023 WORLD BASEBALL CLASSIC」(WBC/ワールド・ベースボール・クラシック)に向けて、各国の代表メンバーが続々確定している。日本代表「侍ジャパン」と同一プールの韓国代表も、1月4日に30選手を発表したが、そこから名前が漏れたのが阪神でもプレーし韓国を代表するリリーバーとして活躍してきた呉昇桓(オ・スンファン)だ。
過去のWBC全てに出場してきたベテラン右腕をロースターから外し悲願の初優勝を狙う韓国だが、海外スポーツメディア「Sportskeeda」は呉昇桓の代表漏れを「その不在が大きく目立つ」と紹介している。
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■過去のWBC“皆勤賞”も無念の落選
呉昇桓は「石直球」とも形容されるボールを武器に活躍してきた名クローザー。KBOだけでなく、2014~15年には阪神、16年~19年にはMLB3球団でもプレーした。徐々に衰えも隠せなくなっているが、それでも昨季はサムスンで57試合に登板し6勝2敗31セーブ、防御率3.32をマークし、セーブ数はKBO歴代最多の370(日米韓の合計は492セーブ)となっている。
呉昇桓が韓国の象徴的存在であるのは、通算成績だけがその理由ではない。WBCには06年の第1回大会を皮切りに、全大会でロースター入り。08年と21年には五輪代表にも選出されるなど、韓国代表の精神的支柱を担ってきた。
しかし、40歳で迎える今WBCでは無念の落選となり5大会連続出場は叶わず。メンバー発表を受けて掲載された「Sportskeeda」のレビューでは、「韓国は経験豊富なリーダー的存在無しで2023年WBCに臨む。ロースターを見ると呉昇桓の不在が大きく目立つ。代替わりしたメンバーで戦うことを韓国代表は選択した」と“代表の顔”欠場について触れられている。
なお、呉昇桓不在の韓国代表のクローザーは、24歳の高祐錫(コ・ウソク/LGツインズ)が務める見通し。東京五輪では侍ジャパン相手の準決勝で大崩れし敗戦投手となったが、150キロ超えの速球を武器に昨季大きく成長し、42セーブでセーブ王に輝いた。「呉昇桓2世」として代表での地位を確立できるかも注目されている。
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文●SPREAD編集部