【WBC】イチローvs.林昌勇、マウンドに国旗立て…語り草となった韓国代表との“宿命の対決”を振り返る | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【WBC】イチローvs.林昌勇、マウンドに国旗立て…語り草となった韓国代表との“宿命の対決”を振り返る

新着 ビジネス
【WBC】イチローvs.林昌勇、マウンドに国旗立て…語り草となった韓国代表との“宿命の対決”を振り返る
  • 【WBC】イチローvs.林昌勇、マウンドに国旗立て…語り草となった韓国代表との“宿命の対決”を振り返る

3月8日に開幕する「2023 WORLD BASEBALL CLASSIC」(WBC/ワールド・ベースボール・クラシック)の記者会見が26日、都内で行われ、野球日本代表「侍ジャパン」の最終登録メンバー30人が発表された。メンバーの平均年齢は過去最年少の27歳。栗山英樹監督のもと、フレッシュな面々で3度目の世界一を目指す。

大会は3月9日からの「カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC 東京プール」で幕を開けるが、2日目には韓国代表との一戦も予定されている。過去の国際試合でも熱戦が繰り広げられてきた好カードだが、WBCに限定すると戦績は8戦4勝4敗の五分。しかし、この数字以上に記憶に刻まれる“ドラマ”が日韓対決にはつきもの。ここでは、これまでのWBCでの直接対決を振り返っていく。

◆韓国代表、海外メディアも不安視する精神的支柱の不在 元“虎の守護神”落選は「大きく目立つ」

■波紋を呼んだ韓国のパフォーマンス

WBCでの日韓戦は2006年(第1回大会)に3試合、2009年(第2回大会)には決勝を含む5試合が行われたが、その後は機会がなく、今大会で実に14年ぶりとなる“宿命の対決”が実現する。

2006年(第1回大会)

2006年WBCでの日韓戦スコア

初のWBC開催となった2006年は、3度の対決で日本の戦績は1勝2敗。第1ラウンドA組首位の座をかけた3月5日の試合は、終盤8回表に李承燁(イ・スンヨプ)の本塁打でリードを奪った韓国が逆転勝利。抑えで起用された韓国人メジャーリーガーのパイオニア・朴賛浩(パク・チャンホ)がイチローを遊飛に打ち取ってゲームセットとなった瞬間を記憶しているファンも多いはず。

渡米後の第2ラウンド、3月15日の一戦も行き詰まる投手戦となったが、8回表に2点を先取した韓国がそのまま2-1で勝利。先発した朴賛浩を筆頭に、NPBでもプレーした具臺晟(ク・デソン)や呉昇桓(オ・スンファン)らが日本打線を封じ込めたが、試合後には“事件”も起きる。日韓戦勝利に興奮した徐在応(ソ・ジェウン)が、興奮のあまり太極旗(韓国国旗)をマウンドに突き立てるパフォーマンス。この“国旗立て”は多くの波紋を呼び、試合後にはイチローも「野球人生で最も屈辱的な日」とコメントを残した。

この敗戦で決勝ラウンド進出は絶望的と見られた日本だが、アメリカがメキシコに敗れる波乱にも救われ、3月18日の準決勝で三度韓国と対戦。大一番を任された日本の先発・上原浩治が7回3安打無失点の快投で相手打線を寄せ付けず、打線も福留孝介の劇的代打アーチなどで6点を奪う。終わってみれば日本は6-0の完勝で韓国へのリベンジを果たし、勢いそのままキューバとの決勝も制して、初代WBC王者に輝いた。

■語り草となった2009年の決勝戦

2009年(第2回大会)

2009年WBCでの日韓戦スコア

日本が連覇を狙った第2回大会では、5度の日韓戦が実現。日本は3月7日の試合こそ14-2(7回コールド)と大勝するが、その2日後の再戦では0-1の完封負けで2大会続けて第1ラウンド首位突破を逃した。

渡米後の第2ラウンドも2戦1勝1敗で、両国ともに決勝ラウンドに駒を進める。しかし、3月17日の試合では勝利した韓国代表が再び喜びを爆発させ、前回大会同様に国旗をマウンドに立てるパフォーマンスで再びひんしゅくを買うことになる。

韓国代表は2009年WBCでも試合後に「国旗立て」パフォーマンスを行った(C)Getty Images

そして迎えた運命の決勝戦。5万人を超える観衆が集まったドジャースタジアムを舞台に、両国のプライドがぶつかり合う接戦となる。1点をリードして9回裏を迎えた日本だが、抑えを託されたダルビッシュ有が痛恨の同点打を許し、試合は延長戦に突入。それでも延長10回表、2死二、三塁の好機でイチローが林昌勇(イム・チャンヨン)から2点適時打を放ち、最高のフィナーレを迎えることになる。

この決勝での激闘は現在でも語り草となっており、2023年1月にMLB公式サイトで発表された「ワールド・ベースボール・クラシックの歴史に残る試合トップ10」でも1位にランクインした。

8戦4勝4敗という戦績以上に、数多くのドラマを巻き起こしてきたWBCでの日韓戦。2023年大会ではフレッシュなメンバーを中心とした侍ジャパンに対し、韓国は代表常連メンバーが多く名を連ねるなどチーム編成も対照的なだが、14年ぶりの熱戦が多くのファンを間違いなく興奮させるだろう。

◆【実際の映像】14年経っても色褪せない伝説の瞬間…2009年WBC決勝でイチローが放った「神の一打」&韓国代表による国旗立てパフォーマンスの瞬間

◆韓国代表、海外メディアも不安視する精神的支柱の不在 元“虎の守護神”落選は「大きく目立つ」

◆「僕らは日本を負かす」“韓国の名手”キム・ハソンがWBCへ決意!1次ラウンド敗退の屈辱を味わった前回大会の「教訓」を語る

文●SPREAD編集部

《SPREAD》
page top