世界ラリーレイド選手権（W2RC）開幕戦、ダカール・ラリー2023は7日目となる6日、サウジアラビアのハイルからアル・ドゥワディミ向けステージ6が行われ、TOYOTA GAZOO Racingのナッサー・アル-アティヤが2日連続でステージ優勝を果たした。一方で前日も好調だったアウディ勢がクラッシュに見舞われ、本大会の勝敗を左右する分水嶺足り得るステージとなった。
◆6日目 ステージ5 でWRCの英雄セバスチャン・ローブが痛恨のクラッシュ トヨタはステージ優勝
■セバスチャン・ローブも猛追
ハイルの次の拠点となるアル・ドゥワディミが豪雨に見舞われたため、コースの変更を余儀なくされた。スペシャル・ステージ467km、総合走行距離876kmが予定されていたが、SSは358kmに短縮され一方、走行距離は900km以上となった。
しかし砂丘が続くステージは、“砂漠の王” アル-アティヤにとって追い風としかならなかった。時に慎重に時に大胆に、めりはりをつけた走りを披露し、昨日に続き砂丘コースの勝者となり、3分以上の差を築きトップ・フィニッシュ。通算47回目のステージ優勝。もちろん、総合首位でライバルとの差を広げた。
3度目のステージ優勝を果たし喜びを表すアル-アティヤ組 (C) A.S.O./C.Lopez
アル-アティヤに続き快走を見せたのは前日、痛恨のクラッシュを喫したセバスチャン・ローブ（バーレーン・レイド・エクストリーム）。トラブルに見舞われたアウディ勢らライバルを尻目にトラブルなしで2位フィニッシュ。総合11位から6位へとジャンプアップし、光明が差すステージとなった。
一方、アウディ勢は散々だった。SS212km地点でダカール14度制覇のステファン・ペテランセル（チーム・アウディ・スポーツ）がクラッシュ。コ・ドライバーのエドゥアール・ブーランジェが負傷し、病院へ搬送。リタイヤこそ免れたが、優勝戦線から脱落した。また盟友カルロス・サインツSr.もまったく同じ地点でクラッシュ。両ドライバーとも前日好調だっただけに、あまりにも大きな試練となった。
クラッシュしたマシンの修復を急ぐカルロス・サインツ組 (C) A.S.O./E.Vargiolu/DPPI
トヨタを駆り総合3番手につけていたヤジード・アル-ラジ（オーバードライブ・レーシング）にもアクシデント。4時間以上を失いステージを終了した。
2位となったローブは「いろいろなアクシデントがあったステージを振り返れば、今日はクリーンで良いステージだった。マイナートラブルで数分失ったかもしれないけどね」と前日のクラッシュから立ち直り、首位を追う。
首位フィニッシュのアル-アティアはステアリング・ポンプ損傷のせいで「とてもタフなステージだったよ。オイルが溢れ、ステアリングが利かなかった。リヤドで修理できるといいけど」と独走体制にも、マシンが万全でない点を憂いた。
ステージ6（7日目）結果
1.NASSER AL-ATTIYAH（TOYOTA GAZOO RACING）03H 13′ 12”2.SEBASTIEN LOEB（BAHRAIN RAID XTREME）+ 03′ 29”3.HENK LATEGAN（TOYOTA GAZOO RACING）+ 08′ 52”4.GUERLAIN CHICHERIT（GCK MOTORSPORT）+ 09′ 12”5.VAIDOTAS ZALA（TELTONIKA RACING）+ 10′ 33”
総合順位
1.NASSER AL-ATTIYAH（TOYOTA GAZOO RACING）24H 00′ 48”2.HENK LATEGAN（TOYOTA GAZOO RACING）+ 01H 06′ 50”3.LUCAS MORAES（OVERDRIVE RACING）+ 01H 13′ 19”4.GINIEL DE VILLIERS（TOYOTA GAZOO RACING）+ 01H 44′ 38”5.MATTIAS EKSTROM（TEAM AUDI SPORT+ 01H 46′ 55”6.SEBASTIEN LOEB（BAHRAIN RAID XTREME）+ 01H 57′ 10”
46.CARLOS SAINZ Sr.（TEAM AUDI SPORT）+ 26H 06′ 40”47.STÉPHANE PETERHANSEL（TEAM AUDI SPORT）+ 26H 09′ 24”
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文●SPREAD編集部
