FIFAワールドカップカタール2022は日本時間19日、アルゼンチン対フランスの決勝が行われる。36年ぶりの優勝狙うアルゼンチンと、勝てば史上3カ国目のW杯連覇を果たすフランスの対戦。選手に焦点を当てると、アルゼンチンのリオネル・メッシとフランスのキリアン・ムバッペによる新旧スターの直接対決も必見だ。
なかでもメッシは、今大会が最後のW杯になることを公言。代表選手として最後の戦いとなることが濃厚だ。ここでは決勝戦を前に、メッシが成し遂げてきた数々の記録に、あらためて触れながら、見どころを紹介していきたい。
◆【カタールW杯】ワールドカップ出場試合数ランキング アルゼンチンの英雄マラドーナは歴代6位タイ
■唯一手にしていないW杯のトロフィー
メッシは、バルセロナの下部組織から2004年10月にトップチームデビューを果たすと、同クラブで通算750得点以上、ラ・リーガ、UEFAチャンピオンズリーグなど35以上のタイトルを獲得した。アルゼンチン代表としては2021年にコパ・アメリカを制覇。世界年間最優秀選手の象徴であるバロンドールにも最上最多の7度輝き、世界最高の選手として君臨してきた。
そんなメッシが唯一獲得していないタイトルが「W杯」。同じアルゼンチンのスター、ディエゴ・マラドーナ（1986年大会優勝）が持ち、メッシが持っていないのがワールドカップ・トロフィーだ。「メッシはクラブチームでしか輝けない」など揶揄されることもあったが、今や国中が彼の背中を押す。14日、自身のインスタグラムでは「決勝」という書き出しから「アルゼンチン行くぞ！」と自身の想いを表現するなど、今大会に懸ける想いが伝わってくる。W杯優勝を掴み取り、メジャータイトルをコンプリートできるかに期待が集まる。
■決勝の舞台でW杯歴代最多出場更新へ
準決勝のクロアチア戦に出場したメッシはW杯5度目の出場にして、通算「25試合」に到達。元ドイツ代表のローター・マテウスの持つ歴代最多出場記録に並んだ。決勝のフランス戦に出場すればW杯歴代最多出場記録を更新することになる。メッシ自身にとって出場試合数は重要ではないのかもしれない。だが、紛れもなくアルゼンチン代表を長きにわたり牽引してきた凄みを示す数字である。
■メッシとムバッペ、新旧スター直接対決
W杯でのアルゼンチンとフランスの対戦は今回が4度目で過去アルゼンチンの2勝1敗。直近では前回W杯ロシア大会決勝トーナメント1回戦でフランスが4－3とアルゼンチンを下している。この試合、フランスのムバッペは2ゴール、メッシはノーゴールに終わった。
両者はクラブチームでは過去2度顔合わせがある。メッシがバルセロナ時代の2020-21年シーズンの欧州CLのベスト16でパリ・サンジェルマンと対戦。1stレグでは、PSGが4－1で勝利。ムバッペがハットトリックを決め、メッシはゴールを割れなかった。2ndレグはメッシ、ムバッペがゴールを決めるも、1－1の引き分けだった。2人が対戦した試合では、いずれもムバッペが躍動している。メッシがその流れを払拭できるかは注目だ。
また、W杯得点ランキングを見ると、メッシとムバッペは5得点で並んでいる。両者の直接対決による得点王争いの行方も見物である。
1カ月にわたり続いてきたW杯もまもなく優勝と得点王の座をかけた戦いが始まる。新時代を背負うムバッペが勢いを見せる中、サッカー界を引っ張ってきたスーパースター、メッシが有終の美を飾り、そのキャリアにさらなる彩りを加えるか。目が離せない決勝戦だ。
◆【カタールW杯】“メッシシステム”完成のアルゼンチンが連覇狙うフランスに挑む ムバッペは新時代の旗手となるか
◆得点王争いはムバッペとメッシの両雄が決勝で“直接対決”へ ジルー、アルバレスが続く4つ巴の展開に
◆メッシを上回る「0.57」のスタッツ アルゼンチンを36年ぶり優勝へ導く“キーマン”はJ・アルバレス
文●SPREAD編集部
