
メジャーリーグのトレード期限が現地2日(日本時間3日)に迫り、米メディアは連日、関連情報を大きく報道。ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平についても、残留か移籍か、大きな話題となっている。7月31日(同1日)、テキサス・レンジャーズ戦に「2番DH」で先発した大谷は弾丸三塁打を含む2打数2安打、2四球で全4打席出塁。しかし、チームは2ー5と逆転負けを喫し、借金は今季最多タイとなる16に膨らんだ。プレーオフ進出が絶望視される中でも大谷はエンゼルスに残るのか。期限ギリギリまで予断を許さない状況だ。
◆大谷翔平、打球速度169キロの弾丸三塁打含む8試合ぶりのマルチで全打席出塁
エンゼルスのユニフォーム見納めか
「オオタニはレンジャーズ戦がエンゼルスのユニフォームを着て戦う最後の試合となったのだろうか?」。米地元紙『ロサンゼルス・タイムズ』電子版はこのように記し、大谷がベンチで唇を噛む写真とともに去就に関する記事をアップした。
同記事は「トレード期限後に行われる次のカード、オークランド・アスレチックス戦ではメンバーが現状と大幅に変わっている可能性もある」と指摘。ブルペンを支えるアーロン・ループ、ライアン・テペラのほか、ローテーション投手のノア・シンダーガードもトレードの有力候補と伝えた。その上で「二刀流オオタニの名前は、トレードの噂の中でも際立っている。しかし、もしエンゼルスが彼をトレードに出した場合、オーナーのアルテ・モレノは、フランチャイズの鍵を渡して、もう球場周辺の駐車場開発にでも専念したほうがいいかもしれない」とつづり、トレードはオーナーの去就問題に発展するほど愚かなこととした。
放出はチームにとって最悪の損失
この日、大谷の次回登板が現地3日(同4日)のアスレチックス戦になることが決定。トレード期間終了後であることから、報道陣に「トレードの可能性が消滅したということか?」と問われたフィル・ネビン監督代行は「私はその件について関わっていないからね。ただ、彼は3日に投げる予定だ。個人的な思いだが、私自身のためにも彼が投げてくれる(残留する)ことを願っている」と笑ったという。
また、レンジャーズ戦に先発登板し、7回2失点(自責点1)に抑える好投を見せたリード・デトマーズは「ここから数日はかなりクレイジーな状態になるかもしれないが、それは私のコントロールの及ばないところ。私はそれについて何もすることはできない」と話し、トレード市場がどんな結末を迎えるのか最後まで分からないとした。
記事は最後、「オオタニをトレードで放出することは、大きな期待をもって始まったものの、またしても残念な集団に陥ってしまったシーズンの中でも最悪の損失となるだろう」と記し、重ねて大谷のトレードに警告した。
そのほか、『ロサンゼルス・タイムズ』と同じく、エンゼルスの地元紙『オレンジ・カウンティ・レジスター』も1979年に「勝率5割の投手 として見切りをつけられ、エンゼルスからFAとなったノーラン・ライアンを引き合いに「歴史を繰り返さないように、さっさとショウヘイ・オオタニと再契約せよ」という識者のコメントを紹介した。
有力地元紙はそろって大谷の残留を支持する記事を掲載したが、結末は果たして——。
◆大谷翔平の三塁打に「速すぎる! 美しすぎる!」と現地メディア賛美の声
◆オールスター選手の間でMVP論争勃発 大谷翔平かアーロン・ジャッジか 割れる意見
◆大谷翔平、“史上最高年俸”到達の可能性は… 米記者が契約延長のポイント解説
文●SPREAD編集部