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米・ブリーダーズカップ諸競走は6日(日本時間7日)、カリフォルニア州のデルマー競馬場で行われ、日本調教馬7頭が6競走に出走する。このうち、3競走でJRAのインターネット投票(「即PAT会員」および「A-PAT会員」)による勝馬投票券発売が行われる。
馬券発売の対象レースは、ラヴズオンリーユー(牝5、栗東・矢作芳人厩舎)が出走するブリーダーズカップフィリー&メアターフ(GI、芝2200m)、ヴァンドギャルド(牡5、栗東・藤原英昭厩舎)が出走するブリーダーズカップマイル(GI、芝1600m)、これに日本調教馬は出走しないがブリーダーズカップターフ(GI、芝2400m)の3競走。
本稿は馬券発売の対象レースとなる3競走の攻略コラムとして、日本時間で7日午前7時20分発走予定の「ブリーダーズカップマイル」を取り上げる。
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■ヴァンドギャルドは自身との戦いに
▼BCマイル[概要]
条件:3歳上牡牝/GI・芝1600mレース:デルマー9R発走:日本時間7日(日)午前7時20分(※馬券発売の締め切りは原則として発走2分前)中継:グリーンチャンネル(5:30~9:00)
今年のドバイターフで2着に好走したヴァンドギャルドが参戦。ゲートボーイが付く海外競馬が合うという判断から米国遠征に踏み込み、日本では安定味に欠ける同馬だが、ここは再び世界の舞台で実力を発揮できそうだ。
ただ、そのドバイターフで3馬身差と突き放されたロードノースは、昨年のブリーダーズカップで落鉄や距離の壁があったとはいえ4着。強豪揃いのフランス調教馬が不在の一戦であり、過大評価はできない。テンションが高い馬が長距離輸送の今回、発走前の自身との戦いが課題。ここは△評価に留めたい。
■欧州勢強し、フォレ賞組2頭は警戒
ブリーダーズカップマイルの過去を振り返ると、過去には大種牡馬キングマンボを輩出した名牝ミエスク、欧州マイルGI総なめの「ザ・ロック」ことロックオブジブラルタル、同レース3連覇の牝馬ゴルディコヴァといった、歴史的マイラーが優勝馬に名を連ねる。
近年は欧州トップマイラーの参戦が少なく、それでも昨年はここまでGI未勝利だったオーダーオブオーストラリアが制し、2着サーカスマキシマス、3着ロペイフェルナンデスで、A.オブライエン厩舎のアイルランド調教馬が上位を独占した。
今年は英1000ギニー勝ち馬のマザーアース(牝3、愛・A.オブライエン厩舎)が欧州勢の筆頭格。2歳G1フィリーズマイルでは、同厩のスノーフォールと馬を取り間違えていたことが判明し、3位入線したスノーフォールと思われていた馬がじつはマザーアース、8位入線したのがスノーフォールで、後日、着順が入れ替わるという珍事があった馬。その後、英1000ギニー、ロートシルト賞のGI2勝のほか、マイル戦線で善戦を続けており、この実績なら主役を張れる。本命はマザーアースとしたい。
肝心なのは相手探し。ここも欧州勢を中心に考えるべきで、英2000ギニー2着のマスターオブザシーズ(牡3、英・C.アップルビー厩舎)、1ハロン延長が課題も前走・フォレ賞でGI2賞目のスペースブルース(牡5、英・C.アップルビー厩舎)、GI未勝利ながら好メンバーのフォレ賞で2着のパールズガロアー(牝4、愛・ P.トゥーミー厩舎)らが中心。これに米国勢で近走好調の馬を絡めて、手広く攻めたい。
▼BCマイル2021[予想・買い目]
◎(9)マザーアース◯(1)マスターオブザシーズ▲(3)スペースブルース△(12)パールズガロアー△(5)ヴァンドギャルド△(6)モーフォーザ△(7)インラブ
3連単(軸1着固定)軸:9相手:1、3、5、6、7、12(計30点)
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著者プロフィール
山田剛(やまだつよし)●『SPREAD』編集長アスリートの素顔を伝えるメディア『SPREAD』の編集長。旅行・アウトドア雑誌のライターを経て、競馬月刊誌「UMAJIN」の編集長として競馬業界へ。その後、Neo Sports社にて、「B.LEAGUE」「PGA」「RIZIN」等のスポーツ×ゲーミフィケーション事業に携わり、現在に至る。競馬は、1995年マイルCSの16番人気2着メイショウテゾロの激走に衝撃を受けて以来、穴馬予想を追求し続けている。