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前編では桜花賞馬・ソダシの「距離不安説」の見極め、そして桜花賞敗退組の評価を展開したが、後編では別路線組の取捨を取り上げていく。
◆【オークス2021/前編・有力馬アナライズ】ソダシの「距離不安説」はナンセンス、一方で桜花賞3着以下の馬は押さえor消しでOK
前編でも述べた通り、別路線組にもチャンスがある今年のオークス。まずは改めて、過去10年のオークス好走馬の前走ローテをおさらいしておく。
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桜花賞組以外の好走例は、フローラS上位、忘れな草賞1着、スイートピーS1着組。それ以外の臨戦過程から好走した馬はゼロだ。
過去、別路線からの台頭を果たしたのはウインマリリン、ウインマイティー、ラヴズオンリーユー、カレンブーケドール、モズカッチャン、チェッキーノあたりだが、これらに共通するのはスクリーンヒーローやゴールドシップ、ディープインパクトなど父が中長距離をこなせるスタミナがあったこと。出走馬のほとんどが未知の距離となる2400m戦において、血統の下地は大きいと言える。
■桜花賞組より評価したい別路線組
忘れな草賞を制したステラリア。父キズナは2013年の日本ダービーを制している。馬場状態が良かったとは言え、前走で記録した1分58秒0は、これまで1度も2分を切ることがなかった忘れな草賞のレコード。直線での脚は際立っており、距離が伸びてさらにパフォーマンスを伸ばしそうな1頭だ。
クールキャットはフローラSを勝利して重賞馬の仲間入り。父スクリーンヒーローは2008年ジャパンC勝ち馬で、昨年2着だったウインマリリンの父でもある。これまで折り合いを欠いたりして能力を発揮できなかったが、前走は鞍上の好騎乗もあり人馬の息はぴったり。本来の姿を見せてくれた。飛びが大きく、長く脚を使うタイプで東京2400mはおあつらえ向きの舞台。コースを知り尽くした武豊騎手騎乗も心強い。
最後にスイートピーS勝ち馬タガノパッション。キングカメハメハ×シンボリクリスエスという血統から、距離が延びて良さそうなタイプだ。中団から進めた前走は、追い出されてから鋭い反応を見せて上がり最速をマークし差し切りV。いかにも前哨戦の仕上げとレースぶりでこのパフォーマンスは相当なもので、「大物」の可能性もある。最後まで脚色は衰えておらず、12ハロン戦は対応可能だろう。無欲の一発に期待したい。
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著者プロフィール
山田剛(やまだつよし)●『SPREAD』編集長アスリートの素顔を伝えるメディア『SPREAD』の編集長。旅行・アウトドア雑誌のライターを経て、競馬月刊誌「UMAJIN」の編集長として競馬業界へ。その後、Neo Sports社にて、「B.LEAGUE」「PGA」「RIZIN」等のスポーツ×ゲーミフィケーション事業に携わり、現在に至る。競馬は、1995年マイルCSの16番人気2着メイショウテゾロの激走に衝撃を受けて以来、盲点となる穴馬の発掘を追求し続けている。