【皐月賞/穴馬アナライズ】エフフォーリアは△評価、ダノンザキッドと前走“三重苦”の盲点が巻き返す | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【皐月賞/穴馬アナライズ】エフフォーリアは△評価、ダノンザキッドと前走“三重苦”の盲点が巻き返す

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【皐月賞/穴馬アナライズ】エフフォーリアは△評価、ダノンザキッドと前走“三重苦”の盲点が巻き返す
  • 【皐月賞/穴馬アナライズ】エフフォーリアは△評価、ダノンザキッドと前走“三重苦”の盲点が巻き返す

阪神JFの上位2頭が桜花賞でもワン・ツーを飾った牝馬クラシック第1弾。前走・阪神JF組【0-1-0-3】のデータを覆す2頭の走りに、近代競馬の「直行」というトレンドが見て取れる結果となった。


今週は牡馬クラシック第1弾・皐月賞。こちらも過去10年、前走・共同通信杯組が【4-0-2-10】、そして昨年がコントレイル、一昨年はサートゥルナーリアと2年連続で2歳GI・ホープフルSからの直行組が制しており、ここでもやはり「直行」というキーワードが浮上してくる。


一方、主要トライアルの弥生賞は【0-5-2-32】。弥生賞→皐月賞の連勝は2010年のヴィクトワールピサまで遡り、このデータを参考にすれば、弥生賞を制したタイトルホルダー、そして3着に敗れた2歳王者・ダノンザキッドには「黄信号」が灯ることになる。


■例年の弥生賞≠皐月賞は当てはまらない


弥生賞が皐月賞に直結しない理由は、レースの性質の違いにある。例年、前半3F36秒台で入り、勝ち時計2分2秒前後を要する弥生賞と、良馬場であれば前半3F34~35秒台で入り、2分を切ってくる皐月賞。


そもそも10頭前後で施行されるトライアル・弥生賞と、フルゲート18頭で行われるGI・皐月賞。コースも弥生賞はA、皐月賞はBと異なり、つまり同じ中山芝2000mでも条件は全く異なるというわけだ。


芝1800mの共同通信杯組、そしてトライアル組では唯一、【3-1-3-32】と相性のいいスプリングS組が好走している理由は、皐月賞が芝1800mに近いレースの性質を持つことに関係している。


しかし、これはあくまで良馬場・皐月賞の話。今年は土曜が雨の予報。日曜には晴れマークが出ており、レースまでに馬場は回復していくだろうが、それでも1分58秒前後の高速決着とはなるまい。


つまり、今年は例年の弥生賞≠皐月賞という傾向が当てはまらない可能性を秘めている。


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■エフフォーリアを「△」評価の押さえに落とす


例年ではあれば、共同通信杯を快勝したエフフォーリアを最上位に評価するのが妥当だろう。しかし、東京芝1800m1分47秒6の時計で勝ち上がってきた本馬が、時計の掛かる中山芝2000mでパフォーマンスを維持できるかは疑問。


そもそもトビが大きい馬で、小回りの中山コース向きとも思えず、人気ほどの信頼は置けない。


一方、ダノンザキッドは弥生賞で3着と初黒星を喫したが、前有利の展開で脚を余した格好。勝負どころの反応も鈍く、いかにもトライアルといったレース内容だった。


昨年のホープフルS週が時計を要する馬場状態だったのは、近年で最も遅い勝ち時計2分2秒8、そしてレース上がり3F36秒8という数字を見てのとおり。馬場を掻き込むような力強い走法で、むしろ道悪適性は高いと見る。


2強の評価は「ダノンザキッド>エフフォーリア」。エフフォーリアを「△」評価の押さえに落とし、時計の掛かる皐月賞をイメージして穴馬を発掘していきたい。


■ステラヴェローチェの前走敗因は“三重苦”


まず注目したいのは、弥生賞勝ち馬のタイトルホルダー。その弥生賞は単勝1倍台の大本命が敗れての逃げ切りVと、例年であれば軽視していい存在だが、今年の皐月賞であれば再び好走する可能性はある。弥生賞組の成績不振から注目度は低く、むしろ今回もノーマークになるのは好都合。過去のGIでも積極的なレース運びで、たびたび波乱を演出している田辺裕信が騎乗するのも心強い。


続いて、きさらぎ賞2着のヨーホーレイクをピックアップ。新馬が稍重、2戦目の紫菊賞は重で2連勝と、道悪適性は高い。重賞では差し届かずの競馬が続いているものの、時計を要したホープフルSはダノンザキッドと上がり最速タイの3着、きさらぎ賞は馬場が掘れて追い込みづらい直線で猛追し、ラーゴムにクビ差迫る2着なら上出来と言える。前述のタイトルホルダーが崩れるような展開になれば、逆に本馬の出番となる。


最後に、共同通信杯で5着に敗れたステラヴェローチェの巻き返しに期待。稍重の新馬を勝ち上がり、不良馬場のサウジアラビアRCでは後続を3馬身突き放して勝利した。朝日杯FSはレコード決着に泣き、共同通信杯は不向きの瞬発力勝負で、加えて他馬より1キロ重い斤量が響き、さらに仕掛けどころで後手を踏む“三重苦”。この2戦の敗因は明確であり、馬場次第では上位争いに加わる可能性は高い。


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◆【皐月賞/追い切りジャッジ】エフフォーリアは「B」評価、万全とまでは言い切れない


▼UMAJINチャンネル「必勝!岡井塾ー皐月賞編」


著者プロフィール


山田剛(やまだつよし)●『SPREAD』編集長アスリートの素顔を伝えるメディア『SPREAD』の編集長。旅行・アウトドア雑誌のライターを経て、競馬月刊誌「UMAJIN」の編集長として競馬業界へ。その後、Neo Sports社にて、「B.LEAGUE」「PGA」「RIZIN」等のスポーツ×ゲーミフィケーション事業に携わり、現在に至る。競馬は、1995年マイルCSの16番人気2着メイショウテゾロの激走に衝撃を受けて以来、盲点となる穴馬の発掘を追求し続けている。

《SPREAD》
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