【競馬】マイルCS グランアレグリアの明と暗。【0-0-0-35】と【2-0-1-0】、どちらを取るべきか? | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【競馬】マイルCS グランアレグリアの明と暗。【0-0-0-35】と【2-0-1-0】、どちらを取るべきか?

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【競馬】マイルCS グランアレグリアの明と暗。【0-0-0-35】と【2-0-1-0】、どちらを取るべきか?
  • 【競馬】マイルCS グランアレグリアの明と暗。【0-0-0-35】と【2-0-1-0】、どちらを取るべきか?

今週は阪神競馬場でマイルCS(芝1600m)が行われる。

グランアレグリア、サリオスの2強ムードが漂っているが、昨年の覇者インディチャンプやここが復帰初戦となる2歳女王・レシステンシアをはじめとしたGI馬も虎視眈々。真っ向勝負の8ハロン戦、来週行われるドリームマッチ・ジャパンCに匹敵する熱い戦いに期待したいところだ。

さて、データで紐解く今年のマイルCS。まずはデータ分析から浮かび上がったキーワードをご覧いただきたい。

1.進化が止まらないグランアレグリアに死角はあるのか?
2.サリオスに立ちはだかる「古馬混合GI×3歳ハーツクライ産駒」の壁
3.データが導く2020マイルCSの穴馬候補は?

■進化が止まらないグランアレグリアに死角はあるのか?

安田記念ではアーモンドアイに完勝、スプリンターズSでは「前が止まって見える」豪脚で突き抜けたグランアレグリア。

短距離路線の絶対王者となりつつある女傑に死角はあるのか? ここではふたつのデータを紐解いていこう。

・芝1200m勝利→阪神芝外回り1600m重賞に臨んだ馬【0-0-0-35】

この舞台で行われる重賞は基本的に年間6レース。6戦すべてが2-3歳馬限定戦または牝馬限定戦と、施行条件に偏りがある点は否めない。

35頭すべて馬券圏外のインパクトは強いが「人気を裏切った」と言い切れるのは11年阪神JFの2人気8着馬エピセアロームぐらい。他はフタ桁人気馬が多く、そもそも勝負圏内に位置しない馬。数字を鵜呑みにするのは危険と言えるだろう。

続いて、こちらのデータ。

・前走プラス体重時の次走成績【2-0-1-0】

458キロの新馬戦を基点としたとき、前走馬体重は当時より46キロもボリュームアップ。

同じような過程をたどった馬に昨年の年度代表馬・リスグラシューがおり、同馬のラストランはデビュー時との比較で36キロ増。思えばキタサンブラックも30キロ以上の馬体重増がもたらした「筋肉の鎧」を武器に現役最強馬への道を歩んだ。

唯一の馬券圏外となったNHKマイルCは前走馬体重マイナスからの参戦。それに該当しない点を考慮したとき、大きく評価を落とすほどではない……そんなジャッジを下すことができるだろう。

■サリオスに立ちはだかる「古馬混合GI×3歳ハーツクライ産駒」の壁

そのグランアレグリアのライバル筆頭と言えるのが3歳馬サリオス。

これまで先着を許した馬は無敗の三冠馬・コントレイルのみ。毎日王冠を難なく制し、3戦3勝のマイル戦に駒を進めてきた。

古馬越えを果たし、再度三冠馬への挑戦状を叩きつけたいところだが……不吉なデータが重くのしかかる。

・3歳ハーツクライ産駒の古馬混合GI成績【0-1-0-11】

リスグラシュー、ジャスタウェイ、スワーヴリチャード。2歳時から頭角を現していたハーツクライ産駒がGIを制したのは4歳のシーズン……3歳秋は古馬の返り討ちに遭う結果が続いている。

サリオスの姉は先週のエリザベス女王杯2着馬サラキア。同馬が5歳秋でようやく本格化を迎えた点を踏まえると、本当の意味での完成は来年以降なのかもしれない。

■データが導く2020マイルCSの穴馬候補は?

この項では、データ面から上位進出を目論む穴馬候補2頭を取り上げたい。

<穴候補1 ヴァンドギャルド>

秋初戦の富士Sを快勝。重賞ウィナーの仲間入りをはたし、返す刀で再度GIに挑むヴァンドギャルド。

まだまだ一線級の馬とは差があるように思われるが、そんな同馬で強調できるデータがこちら。

・9-11月の秋競馬成績【5-0-1-0】

夏の暑さが峠を越え、緩やかに気温が下がるこの時季。サラブレッドにとって過ごしやすい気候を味方につけ、勝ち星を量産するのがヴァンドギャルドの特徴だ。今回コンビを組む戸崎圭太は、藤原英調教師の管理馬2頭(ストレイトガール、エポカドーロ)でのGI勝利実績あり。人馬ともにお膳立ては整った印象を受ける。

<穴候補2 アドマイヤマーズ>

昨年はマイルGIを2勝。国際GI馬の称号を引っ提げて迎えた今年だが、安田記念6着→スワンS3着と波に乗り切れない状況。ピークアウトの声も囁かれるが、前評判を覆すだけの強力なデータは存在する。

・前走から間隔を詰めたときの成績【4-0-1-0】

ぶっつけローテが主流となりつつある昨今の競馬界だが、この馬は「古きよき」叩き良化型。皐月賞→NHKマイルC、富士S→香港マイルと前走から間隔を詰めることでガラリ一変に成功した。阪神芝1600mはグランアレグリアを下した舞台。右回りの芝1600mでは【3-0-0-0】負け知らずというデータも最後に補足しておきたい。

著者プロフィール

田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家

競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。

twitterアカウントはこちら⇒田原基成@競馬ストーリーテラー

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