中田英寿の今後の取り組みは?「僕は、自分が好きなことをやるだけなので」 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

中田英寿の今後の取り組みは?「僕は、自分が好きなことをやるだけなので」

スポーツ 選手
中田英寿の今後の取り組みは?「僕は、自分が好きなことをやるだけなので」
  • 中田英寿の今後の取り組みは?「僕は、自分が好きなことをやるだけなので」

アスリートの社会貢献活動を表彰する「HEROs AWARD 2018」の授賞式が、12月17日にグランドハイアット東京で行われた。

「HEROs AWARD」は、アスリートの社会貢献活動を促し、様々な社会問題を解決する動きを加速させ、ソーシャルイノベーションの輪を広げていくことを目的に立ち上がった。日本財団が創設した「HEROs Sportsmanship for the future」プロジェクトの取り組みの一つ。

2018年の受賞者は、赤星憲広氏、有森裕子氏、飯沼誠司氏、長谷部誠選手、浦和レッズ(登壇したのは淵田敬三氏、近藤伸一氏、落合弘氏)、ビーイング・アライブ・ジャパン(登壇したのは北野華子氏)。

受賞者は日本財団が任命した選考委員により決定、プロジェクトに寄せられた寄付金から活動奨励金が贈呈された。なお、授賞式は民間資金で開催された。

アスリートの交流による化学反応

第1回から同アワードのアンバサダーを務めている中田英寿氏は、同取り組みの意義を授賞式後に語った。

「なかなか他の競技は、興味があっても知ることがない。やはり、『選手』と出会わないと『競技』が入ってこない。(『HEROs AWARD』ができてからは)色々なことに興味がでてきた。僕が現役の頃にあったらよかった。トレーニングの考え方も学べるし、一緒に(トレーニングが)できたりしただろうし。この場に若い選手も多くいてくれるといい」

「(社会貢献活動を)やってみたいけれどどうやったら良いかわからないアスリートもいる。でも、この場に来ればやり方が分かり、一緒に何かできないか、というカタチになっていく

様々な活動をしているアスリートが交流することによる化学反応を期待しているということだ。

「僕は、自分が好きなことをやるだけ」

続けて、自身の今後の取り組みについても明かした。

「僕は、自分が好きなことをやるだけなので。昔はチャリティフットボールの試合をよく開催していましたけれど、最近はサッカーよりも伝統工芸とか、そういったことを好きでやっています。『これ』っていうことではなくて、自分がやりたいことは何でもやっていく

なお、昨年春に開催されたイベントで、中田氏は今後の目標について聞かれた時、「僕はあまり目標というものを決めない。そのとき自分が感じたことをやっているだけ。いまは日本の文化というのが好きで、国内をまわった。とにかく突き詰めて自分の世界観をつくっていくのが自分のやり方なので、これっていう具体的なものはないが、いまは日本文化を世界規模で広げていきたい」と語っている。

発言の趣旨が全くぶれていない。それは、サッカーをしていた現役時代から変わらない価値観・基準が根底にあるからだろう。

根底にある価値観・基準は現役時代から変わらない

中田氏はサッカーを引退してから、世界を3年かけて回り、日本全国47都道府県を7年かけて回った。

「自分が回ってきて出会った、感動したものを多くの人に伝えたい」。そんな思いから現在、様々な分野で活躍している。

2015年には株式会社「JAPAN CRAFT SAKE COMPANY」を設立。日本酒の魅力を国内外へ発信する活動も行なっている。

中田氏の活動は幅が広すぎて、それぞれの事業は一見関連性がないように見えることもある。筆者は昨年、中田氏にサッカーや、旅の経験をどういった風に事業に活かしているのか、「国際陶磁器フェスティバル美濃’17」の記者発表会で問いかけてみたことがある。

その時に中田氏は、こう答えてくれた。

「まず、僕がやろうとしているのはモノをPRするのではなく文化を外に伝え、情報を交換していくというやり方です。それが時にはお酒、時には工芸という形であったりする。また、世界にはワインであったり、それぞれの工芸があったりします。何が言いたいかというと、モノというのは『コミュニケーションをとるためのツールに過ぎない』ということであり、お互いが相互理解するためのモノであると。それはサッカーをしていた頃と全く変わらない

「それはPRという概念、つまりこちらの方が素晴らしいとか、向こうの方が素晴らしいなどアピールするのではなく、こういったものがお互いの国にはあるぞ、と『話をしていくためのもの』だと思う。それはサッカーでも、お酒でも、工芸においても変わらないんです

次に中田氏が好きになれるモノも、こうしたアワードを通した、様々な活動をしているアスリートとのつながりの中から発見されていくかもしれない。

《大日方航》

《SPREAD》
page top