今年も暑くなってきました。近年の酷暑は9月いっぱいまで続く印象があり、体力的にも、気持ち的にもコントロールが大事な季節です。
暑い夏のシーズンといえば、夏休み、海や山のアウトドアなど、暑いからこそ楽しめることは山ほどあります。風物詩として、忘れちゃいけないのが高校野球です。
毎年気づけば始まっている夏の高校野球を、はじめから意識的に追ってみたいという思いから、改めて地方大会の予定を眺めてみます。
梅雨明けが早い沖縄、地方大会は一番初めにスタートしますが、大会の抽選会は6月6日です。大会開幕は6月17日。抽選も開幕も全国最速で、決勝は7月16日の予定です。この沖縄に続いて抽選が早く行われるのが、神奈川県。抽選は6月10日です。ただ大会開幕は7月8日で、決勝が7月29日。沖縄に比べると、参加校の数も多く、一方で梅雨の影響も受けてしまうため、過密スケジュールであることが見込まれます。
全国的に抽選は概ね6月末までに行われています。ただ北海道などの一部地域が7月に入ってからの抽選になっています。大会の開幕は、今年は7月8日近辺が最も多いようです。首都圏や関西、九州などの都市部で8日開幕が多く見られます。すでに地元の予選は決まっているかもしれません、母校がどのようなスケジュールで試合を迎えるか、調べてみるのもちょっとした楽しみになるかもしれません。
選手に目を向ければ、大会に参加するすべての高校球児が輝く瞬間を持っています。もちろんスター選手は高校野球を彩りますが、地方大会に散る球児がほぼ100%の大会です。チームのレギュラー、ベンチ、スタンドにまわる控え選手たち。その全てに物語があり、夏の瞬間を大切にしてもらいたいものです。
夏の高校野球大会は今年で99回目、来年は100回を迎えます。長い歴史のなかでは、野球という競技そのものも変化し、高校野球に関わる周辺環境も大きく変わってきたことでしょう。特に近年は、少子化、人気競技の分散など、スポーツという括りでもさまざまな環境変化が起こっています。また課題感として存在するのは、教育としての高校野球とショービジネスとしての高校野球、それぞれの存在の仕方ではないでしょうか。
長い時間をかけて、教育としても、ショービジネスとしても高校野球は稀有な存在に変貌しています。そして折に触れて議論を巻き起こします。議論も結構、意見の限りを尽くして、変化に対応し、未来へと文化を紡ぐことが、関係者に課された使命なのでしょう。
もちろん現在進行形の高校球児たちが高校野球に情熱を注いでいるのは、過去の積み重ねがあってこそ、高校野球が存在するからです。そしてかつての高校球児たちが歩んできた道を、新しく塗り替えていきます。
時代とともに変化しつつ、塗り替えられ続ける文化、夏の風物詩である高校野球が常に変化を続けていくこと。変化に富んだ時代に、高校野球も変化し、そして変わらずに未来まで続いていくことを一人のファンとして願うばかりです。
《土屋篤司》
-
page top