アレクシス・サンチェスのベンチスタートは驚きだったか。そう尋ねられたリバプールのユルゲン・クロップ監督は、「どんなラインナップだろうと驚くことはない」と答えている。
3月4日に行われたイングランド・プレミアリーグ第27節、アーセナルは今季17ゴールで得点王争いトップタイのサンチェスをベンチスタートにした。サンチェス不在の前半にリバプールは2点をリード。サンチェス投入後の後半には一時1点差まで詰め寄られたが、アディショナルタイムに追加点を挙げて逃げ切った。
多くの人間が不意を突かれたサンチェスの先発落ちだが、クロップ監督は冷静に対処できたと話す。
「私は17年間監督をしてきた。どんなラインナップだろうと驚くことはない。先週足を骨折した選手が先発なら、医師に会ってみたいと思うがね」
試合前には誰が出場するか分からないものだとクロップ監督。サンチェスが出場する場合を想定して分析してきたが、オリヴィエ・ジルーが先発する場合でも相応の緊張を強いられると語った。
「ジルーがピッチ上にいれば彼らの戦い方は変わってくる。クロスを上げてくるからだ。クロスの具体的な頻度は分からないが、上げてくるのは道理に適うことだ。だから我々にとって大きなアドバンテージではなかった」
アーセナルのアーセン・ベンゲル監督はサンチェスをベンチスタートさせた意図について、「空中戦に強い2選手を起用して、より直接的なプレーがしたかった」と説明している。その狙いが適切だったかはともかく、そういう意図ならジルーの高さや強さを頼りにするのは理に適っている。
ただ、クロップ監督が「アレクシスは途中出場で大きなインパクトをもたらした」と言うように、サンチェス投入後のほうが見どころの多い試合ではあった。
《岩藤健》
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